編物[語句情報] »
編物
「編物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
編物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
いってば。紅茶がさめてしまうじゃないの?」
女中が出窓にいなくなると、女はまた
編物を取り上げながら、小声に歌をうたい出した。
午前十時と十一時との間、――旅....
「文放古」より 著者:芥川竜之介
あたしたちの習った外国語じゃ家庭教師も勤《つと》まらないし、あたしたちの習った
編物《あみもの》じゃ下宿代も満足に払われはしないわ。するとやっぱり軽蔑《けいべつ....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
数の枝線へ変圧配給されているのであった。部屋の一方の壁はこれらの配給線管で毛糸の
編物を顕微鏡でのぞいたような光景を呈していた。そしてすべてが深海の底のように無音....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
手近に居た青ン膨れの看護婦に訊いた。 「あーら、あたし知らないわよ」 といって
編物の手を停めると、グシャグシャにシーツの乱れているその寝台の上を見た。 「あー....
「白椿」より 著者:海若藍平
と悪い男の生徒がはやしても、家の中から笑っていました。 そのほか勉強のひまには
編物をお母さんから習いました。夜はお祖父さまの肩をもみました。お母様のお使い、お....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
となしいところでは、地球から放送されるテレビジョンによって、これから三ヶ月間に、
編物講習を勉強しようと決心する者もあった。 正吉少年が通路を歩いていると、料理....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
下り、食堂の方へ走って行った。団員の娘たちは、あとで、いたずらをされないように、
編物の毛糸を、そっと毛布の下にかくしていくことを忘れなかった。 一番あとから、....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
めたのね。死んだフェルナンドは其の事を巴里の山河性と言ってましたよ。」 リサは
編物をちょいと新吉の背中に当てがって寸法を見て、 ――ちょうどいゝ。これフェルナ....
「巴里の秋」より 著者:岡本かの子
園で子を遊ばしている子守達の会話がふと耳に入る。 十八、九なのが二つ三つ年上の
編物を覗き込みながら、 ――あんた、まだそれっぽっち。 ――だってあのおいた....
「落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
た。もう何十年か前に主人をなくして、今は中学へ通っている一人の息子の春彦と二人、
編物の内職とわずかな株の配当でくらしております。 「唯今、おばさま」 「おかえん....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
いっしょに、戦争がしたくてうずうずしてるのに、家にいてよぼよぼばあさんみたいに、
編物をしてるだけなんだもの。」 「かわいそうなジョウねえさん、まあ名前でも男の子....
「博物誌」より 著者:岸田国士
。 実をいうと、彼女は鵞鳥を追って行くというよりも、そのあとについて行くのだ。
編物をしながら、機械的に、その一団のあとを歩いて行くだけで、あとは大人のように分....
「わが妻の記」より 著者:伊丹万作
らだを壊してしまう。理窟ではどうにもならない。 裁縫。きらいである。そのかわり
編物は好きらしい。それにミシンがあるので子供のものだけは家で片づいてゆくが、大人....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
であった。昼間はバザアが催された。姉は相当な官吏の女であるというので、勧められて
編物も少しは出品したが、要するに売子に雇い上げられたのである。それはそれで好い。....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
に、」 金之助は扉に並べて一枚を敷いた、畳の隅、鉄の火鉢の方に目を遣って、 「
編物をしていた附添のね、福崎(看護婦)というのに、(どうしたの)ッて聞くと、何も....