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「緩徐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

緩徐の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
った。この宝庫が代々に持ち伝えられる間に次第に拡張されるにしてもそれはただ非常に緩徐にしか行われなかった。種族が合同して国家を形成する方が有利だということが分っ....
化け物の進化」より 著者:寺田寅彦
調査もあり、今でも時々新聞で報道される。地すべりの或るものでは地盤の運動は割合に緩徐で、すべっている地盤の上に建った家などぐらぐらしながらもそのままで運ばれて行....
連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
をかわいがったり大病をしたり坊主になったりする。しかし全体のテンポは私にはむしろ緩徐に感ぜられ、アダジオのような気持ちがする。ところが第三楽章の十二句になると、....
銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
ぬ所にひょいひょいと大きなビルディングが突然現われる。建物は実は長い間にきわめて緩徐に造り上げらるるのであるが、その薄ぎたない見すぼらしい目隠しがある日に突然取....
解説(『風知草』)」より 著者:宮本百合子
、「乳房」一篇のはじめから終りまで流れとおしている感情の緊張も、ブルジョア小説の緩徐調に配合されているところどころのヤマの緊張より、はるかに密度のたかいものであ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
は慎みのない腹心者である。もっともひそかな思想をも吐露してしまう。モーツァルトの緩徐曲の霊妙な作意の下から、クリストフはモーツァルトのではなく、それをひいてる新....
純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
理学における熱という語の意味の如く科学的である。数学者や物理学者にとっては速度は緩徐に対立するものではなく、熱は寒さに対立するものではない。緩徐は数学者にとって....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
きいていると、それは、ベートーヴェンの『|月光の曲《ムウンライト・ソナタ》』の緩徐調《アダジオ》の旋律《メロディ》なんです。……ようやくわかりました。ボクさん....
チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
るかぎりこの作品は次のようなムーヴマンを追っているのである。 第一楽章。平明な緩徐調。――画家が道に迷ってヴォルチャーニノフの家に近づく。その姉娘と知り合う。....
皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
られるが、藪の中よりはずっと楽である。しかもほとんど等高線に沿うた路で、きわめて緩徐な登りであるから、歩いていてもそれと認められないほどである。始はこの道も地図....
世界の変革と芸術」より 著者:和辻哲郎
か年の露国の急激な変化すらも、毎日の新聞電報に注意を払っているものにはともすれば緩徐に過ぎるごとく感ぜられるのである。戦争のもたらした残酷な不具癈疾、神経及び精....