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緩怠
「緩怠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
緩怠の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
従えとは昨年よりの催促、今に至って小田原へ参向するとも時は晩《おく》れ居り、遅々
緩怠の罪は免るるところはござらぬ、たとえ厳しく咎《とが》められずとも所領を召上げ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
よく呑込んでいる。しかし、かりにも頼み――と言われてみれば、「おれも男だ」という
緩怠心が湧き出さない限りもあるまい。 「ああ、よかった、友さんが、わたしの第二の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
人が溢《あふ》れて舟を待って焦《じ》れおるのに、貴様たち一向舟を出すことなさん、
緩怠至極じゃ。おのれらの
緩怠を棚にあげて置いて、人を責むるのが不届きじゃ、人を責....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
やったつもりですから、返答ぶりの遅いのに、いよいよ焦《じ》らされる。 「ちぇッ、
緩怠至極《かんたいしごく》の奴等だ」 いらだちきった組頭は、この上は、自身|糺....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
帯びた朝臣で、同時に九条家の執事であったのである。その執事としての勤めぶりが毎事
緩怠至極で不義の仔細連続したという理由で、准后すなわち九条政基は目通りを止めてお....
「海豹島」より 著者:久生十蘭
動きまわるのがその証拠だった。 私は狭山が横着をしているのだと思い、人もなげな
緩怠な態度に腹を立てていたが、誤解だったことがわかったので機嫌をなおし、 「貴様....
「魔都」より 著者:久生十蘭
たのか。それともグッスリと寝込んでしまったのか。今もって一向音沙汰ないというのは
緩怠至極じゃないか。一体どうしたんだ。口から葉巻を離してなんとかいって見ろ。だい....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
くして笑いながら、うふふ、なんだい、とくすぐったそうな返事をする。 あまりにも
緩怠至極《かんたいしごく》な阿古十郎の態度に庄兵衛は呆れたり腹を立てたりしている....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
入来《ごじゅらい》」 庄兵衛は、たちまち眼を三角にして、 「ようこそご入来とは
緩怠至極。……これ貴様、このおれをなんだと心得ておる。やせても枯れても……」 「....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
、気保養をなせえ」 庄兵衛は、いよいよ苦りきって、 「この御用多に、釣りなどと
緩怠至極な」 顎十郎は耳にもいれず、 「叔父上の口癖じゃあねえが、そもそもこの....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
りき婆アの戸口を見守った。 「いつまで経っても婆アも娘も出て来ねえ。あっしもつい
緩怠《かんたい》しやしてね、何ごころなく眼の前の壁を見たと思いなせえ。」 坐り....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
の加わったことを思うと、此時寧ろ予定を変更して其|巓を窮めなかったことが、大なる
緩怠であったような気がしてならない。 横搦みに小窓へ出ることに決めた、ぐずぐず....