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練達
「練達〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
練達の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
つけている。 「やあ、|今日は」 カークが進みでて愛想よく挨拶をした。しかし、
練達な彼がぐっとつかえ、語尾が消えるように嗄れてしまったのだ。拳銃が……無意味な....
「運命」より 著者:幸田露伴
及第したりしより累進してこゝに至れるにて、経史に通暁せるはこれ有りと雖も、世故に
練達することは未だ足らず、侍読の身として日夕奉侍すれば、一意たゞ太孫に忠ならんと....
「花吹雪」より 著者:太宰治
ぐって来ている。智慧のかたまりのように言われている勝海舟だって同じ事です。武術に
練達していなければ、絶対に胆がすわらない。万巻の書を読んだだけでは駄目だ。坊主だ....
「読書法」より 著者:戸坂潤
ていることによって、或る一つの纏まったアトモスフェアをハッキリと醸し出している。
練達の士のものしたものであることを思わせる。 寧ろアトモスフェアが出来上り過ぎ....
「巌流島」より 著者:直木三十五
俊才の一人であったが、「岩流」を開く事を許されたのが十六歳というからその天才的な
練達、武蔵に討たれなかったら鐘捲自斎以上であったにちがいない。 勢源という人は....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
空会社のヒルトとが大激論をした。ヒルトは、速流氷河をわたる方法なしと言う。これは
練達山岳家としての当然の論。それに反して、季節風の猛雨が始まったら登行をするとい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
学の観念の甚《はなは》だ怪しいことは前に述べた通りであります。従って、そのかなり
練達した方位なり時間なりの観念というものも、正確な科学的根拠から来ているのではな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
臨を機会とし、伊達公と細川家――末永く親類の名乗りを致したいものでござるが――」
練達堪能《れんたつたんのう》の細川三斎から、こう言われて、豪気濶達の伊達政宗が、....
「推理小説について」より 著者:坂口安吾
悪かろう筈のものでもない。 木々氏は芸術と云うけれども、私は別の意味で、文章の
練達が欲しいと思う。文学のジャンルの種々ある中で、探偵小説の文章が一般に最も稚拙....
「学生と読書」より 著者:倉田百三
ぶ種目への集注的傾向が必要である。何事かを好み、傾くということがそのことへの愛と
練達との基礎だからである。「この一技につながる」という決意は人間的にも肝要なもの....
「織田信長」より 著者:坂口安吾
はないか。荒れ馬を縦横に駈け苦しめて乗り殺すほどの達人だというではないか。炮術に
練達し、長柄の槍の利得を見ぬいているというではないか。腕ッ節の強さだけでも、曲者....
「日月様」より 著者:坂口安吾
めて辿りつくということは不可能なのである。忍術使いと同じぐらい腕力的な侵入方法に
練達している各新聞社の社会部記者や写真班すら、みんなお医者さんや看護婦に撃退され....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
ように、小次郎は地上を転がっていた。柔道に寝業というものがあって、これにかかると
練達の士でも意外に不覚を取るものである。剣道の外伝にも寝業はある。同じく迂濶にか....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
揚の力といい、比例均衡の美といい、造型技巧の完璧さといい、更に鋳金技術の驚くべき
練達といい、まったく一つの不可思議である。唐の影響はよく淘汰され、大陸にもかかる....
「「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」より 著者:癋見鈍太郎
……なぞいう稼働者の態度を。……台所で働く女中の身体のこなしまでも、しかもそれが
練達洗練された三昧に入っている所作である限り……その心境がその仕事に対して純一無....