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「縁もゆかりもない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

縁もゆかりもないの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
ぺんも見舞いに来ないとはあんまりひどい」こんな事を思っていた。そしてその一方では縁もゆかりもない馬のようにただ頑丈《がんじょう》な一人《ひとり》の男がなんでこう....
或る女」より 著者:有島武郎
ほんとうに死にたくなっちまいます」 葉子は途轍《とてつ》もなく貞世のうわさとは縁もゆかりもないこんなひょんな事をいった。 「そうだおれもそう思う事があるて……....
老妓抄」より 著者:岡本かの子
人間に若い男が一人いる、遊びに行かなくちゃ損だというくらいの気持ちだった。老母が縁もゆかりもない人間を拾って来て、不服らしいところもあった。 みち子は柚木の膝....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
みえるよ。正月の二日《ふつか》といえば、上役同僚おしなべて年始に参るが儀礼じゃ、縁もゆかりもない手下の小奴《こやっこ》がくたばったぐらいで、服喪中につき、年賀欠....
忘れえぬ人々」より 著者:国木田独歩
臭いが人々の立ち騒ぐ袖や裾にあおられて鼻を打つ。 『僕は全くの旅客でこの土地には縁もゆかりもない身だから、知る顔もなければ見覚えの禿げ頭もない。そこで何となくこ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
まい。然しながら死にたる骨は、死にたる地に安んずべきではあるまい乎。寺と墓地とは縁もゆかりもない千歳村の此耕さるべき部分の外に行き得る場所はないのであろう乎。都....
藤の実」より 著者:寺田寅彦
たら案外おもしろいことにならないとも限らないと思うのである。 これとはまた全く縁もゆかりもない話ではあるが、先日|宅の子供が階段から落ちてけがをした。それで、....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
に、同じ頃私がこちらで面会を遂げた二三の人達のお話をつづけることに致しましょう。縁もゆかりもない今の世の人達には、さして興味もあるまいと思いますが、私自身には、....
「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
はN地に行ってK学校に入るつもりだ。とにかく変った道筋に出て、変った方面に遁れ、縁もゆかりもない人に手頼ろうと思う。母親はわたしのために八円の旅費を作って、お前....
次郎物語」より 著者:下村湖人
かんで来る二つの顔があったからであった。まるで種類のちがった、そして、おたがいに縁もゆかりもない二つの顔ではあったが、それが代わる代わる思い出され、全くべつの意....
接吻」より 著者:神西清
話のやりとりが縦横十文字にはじまった。リャボーヴィチは、この藤色の令嬢がその身に縁もゆかりもないのみかぜんぜん興味のありようもない問題について、ひどく熱心に議論....
決闘」より 著者:神西清
こでまあその女と二年あまりも一緒に暮らしたあげくに、よくある図だが厭気がさして、縁もゆかりもない女に見えて来たとする。まあこうした場合に君ならどうするね。」 「....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
かと思うと、つい昨日のことだったような気もする。……時には、あれは自分とはまるで縁もゆかりもない遥かな遠つ世の語り伝えだったような気さえ致しますのじゃ。 合唱....
グーセフ」より 著者:神西清
いう。「そうとも、そうだとも。」 グーセフの想念がぽつんと断れる。池が消えて、縁もゆかりもない眼無しの大きな牛の頭が、いきなり現われる。馬は歩かず、橇も走らず....
雪の日」より 著者:近松秋江
たんでしょうが、変なものですねえ。そうして二人並んで歩いて行くのを見ると、もう、縁もゆかりもないんだが、ああして二人でいっしょに歩いたりなんかするようではどうか....