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縁を切る
「縁を切る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
縁を切るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
て繰りながら簡単な手紙を乳母《うば》にあてて書いた。それには乳母とも定子とも断然
縁を切るから以後他人と思ってくれ。もし自分が死んだらここに同封する手紙を木部の所....
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
に泣きだした。夫婦途方に暮れて実に泣くばかり。思えば母が三円投出したのも、親子の
縁を切るなど突飛なことを怒鳴って帰ったのも皆《み》なその心が見えすく。 「直ぐ行....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
伯父さん立会《たちあい》の上、話合《はなしあい》で、表向《おもてむき》プッヽリと
縁を切る様にしたいから何卒《どうか》願います、と云うのだが、気の毒でならねえ、あ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
にちげえねんだ。こうなりゃ、もう先を急がなくちゃならねえんだから、がんがん鳴ると
縁を切るぜ!」 ぴたりと一本おしゃべり太鼓の伝六にとどめのくぎをさしておくと、....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
のをいわせなくちゃならねえだいじなときなんだ。そばで破れ太鼓を鳴らしたら、主従の
縁を切るぞ」 はあてね、というように小さくなりながら、へやのすみへ神妙に引きさ....
「新生」より 著者:島崎藤村
折れて、大判の奉書に義雄自身の手で大きく書いてある手紙をひろげて見た。
「兄弟の
縁を切るなんてことは容易なことじゃ有りません」と岸本は言った。「まあ他の親戚《し....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
今朝がた、留置場のカンカン寅と連絡をしたのだ。そのとき買っとかなけれア手前たちと
縁を切るぞぐらいなことを云って脅したんだよ。カンカン寅から出た話なら、五千円には....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
とがネと、軽く打消した。だが、静枝はお八重に違いない気がする。恐らく彼女は一座と
縁を切るために、殊更自殺したらしく見せかけたものであろう。そこには智恵袋の速水女....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
。 愛のしるし 飯山で手拭が愛のしるしに用いられるという話を聞いた。
縁を切るという場合には手拭を裂くという。だからこの辺の近在の女は皆な手拭を大切に....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
から真堀の定蓮寺へ逃込んで漸々の事で助かったが家を出る時ア兄貴と喧嘩アして兄弟の
縁を切る、二年越も世話になった女と一緒になるも厭になって、まごつき出した日にゃア....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
嫌なら嫌でいいよ、もうお前にはどの子も頼まないから。その代りこの家とはこれっきり
縁を切るから、そうお思い。飯米に困るなんてまた泣きついて来たって知らないよ。恭一....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
まわっているという。そんなものの世話まで焼かされては堪らない。これを機会に箱根と
縁を切るに越したことはないから、社長室へ挨拶に行って、 「ボクは東京へ帰ろうなん....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
いでしょう。いッそ芸者になる方が身のためですッてね。身売りの金を手切金に、親子の
縁を切るから、母も姉もないものと思って、こんな悲しい家のことは二度と思いだしても....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
あんな節のない謡なんか、ただ口を利いてるようだ。東京の謡は場違いだな、こっちから
縁を切る。)と、お久さんの息子さんたちが言っていましたよ。お久さんは、しくしく泣....
「城」より 著者:カフカフランツ
くことができなかっただろう、ということを知っていました。それだけに、わたしたちと
縁を切ることが必要だったのです。もしわたしたちがそれに打ち勝っていたら、わたした....