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「縁日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

縁日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
。 「ところが外へ出て見ると、その晩はちょうど弥勒寺橋の近くに、薬師《やくし》の縁日《えんにち》が立っている。だから二《ふた》つ目《め》の往来《おうらい》は、い....
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
。扉《ドア》を開いてはいって来た毛利先生は、何より先《さき》その背の低いのがよく縁日の見世物に出る蜘蛛男《くもおとこ》と云うものを聯想させた。が、その感じから暗....
少年」より 著者:芥川竜之介
娑婆苦を忘却した宣教師のように小さい幸福を所有していた。大徳院《だいとくいん》の縁日《えんにち》に葡萄餅《ぶどうもち》を買ったのもその頃である。二州楼《にしゅう....
或る女」より 著者:有島武郎
鋭くながめやっていた。かなり広いプロメネード・デッキは田川家の家族と見送り人とで縁日のようににぎわっていた。葉子の見送りに来たはずの五十川《いそがわ》女史は先刻....
婦系図」より 著者:泉鏡花
」と四辺近所は官員の多い、屋敷町の夫人連が風説をする。 すでに昨夜も、神楽坂の縁日に、桜草を買ったついでに、可いのを撰って、昼夜帯の間に挟んで帰った酸漿を、隣....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
コフ・イリイッチと云って、身体の出来が人竝外れて大きい、容貌は謂わばカザン寺院の縁日で売る火難盗賊除けのペテロの画像見た様で、太い眉の下に上睫の一直線になった大....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
八 差配は溜息と共に気取って頷き、 「いつ、どこでと云ってね、お前、縁日の宵の口や、顔見世の夜明から、見えなくなったというのじゃない。その娘はね、長....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
長唄の流しも聞えた。 この七の日は、番町の大銀杏とともに名高い、二七の不動尊の縁日で、月六斎。かしらの二日は大粒の雨が、ちょうど夜店の出盛る頃に、ぱらぱら生暖....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
風を吹かして通ると思せ。いかなこと土間も桟敷も正面も、ワイワイがやがやと云う……縁日同然。」 十二 「立って歩行く、雑談は始まる、茶をくれい、と呼....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
動いて、しばらくして一度、ふわりと消えた。それは、巌の根にかくれたので、やがて、縁日ものの竜燈のごとく、雑樹の梢へかかった。それは崖へ上って街道へ出たのであった....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
では北野へ案内のゆかりがある。切通しを通るまえに、湯島……その鳥居をと思ったが、縁日のほかの神詣、初夜すぎてはいかがと聞く。……壬生の地蔵に対するものは、この道....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
縁日 柳行李 橋ぞろえ 題目船 衣の雫 浅緑 記念ながら 縁....
三枚続」より 著者:泉鏡花
んとも。」 「成程、ありそうな仔細だよ。まず飲んで、ふむ。」 「過年、水天宮様の縁日の晩でしたっけ、大通のごッた返す処をちっとばかり横町へ遠のいて明治座へ行こう....
式部小路」より 著者:泉鏡花
でもかでも私のために、医学士の奥様を殺して、願いを叶えてくれるんなら、水天宮様の縁日に、頭の乾児と喧嘩をするようにして暴れ込んで行ったって殺されるものじゃない。....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
た事が一大原因である事を忘れてはならぬ。持久戦争に於ては特に目前の戦況に眩惑し、縁日商人の如く戦争目的即ち講和条件を変更する事は厳に慎まねばならぬ。第一次欧州大....