縁起棚[語句情報] » 縁起棚

「縁起棚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

縁起棚の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
室《ま》の火鉢の側には下に使われている男が仕事を休んで、四五人集っていた。大きな縁起棚の傍には、つい三四日前の酉《とり》の市《いち》で買って来た熊手などが景気よ....
うつり香」より 著者:近松秋江
原堂で買った梅干あめを懐中にしてお宮の家の店先から窺いた。 狭苦しい置屋の店も縁起棚に燈明の光が明々と照り栄えて、お勝手で煮る香ばしいおせちの臭いが入口の方ま....
霜凍る宵」より 著者:近松秋江
いた。見たところそこは多勢の抱妓たちをはじめ家中の者の溜り場にしてあると思われて縁起棚にはそんな夜深けでもまだ宵の口のように燈明の光が明るくともっていて、眩しい....
丹下左膳」より 著者:林不忘
駒形《あさくさこまがた》、高麗屋敷《こうらいやしき》の櫛まきお藤のかくれ家です。縁起棚の下に、さっき弾きあきたらしい三味線が一|梃《ちょう》、投げだしてあるきり....
復讐」より 著者:豊島与志雄
間の方を指差した。お多賀さんは眼で笑った。 「いたずらなすってはいけませんよ。」縁起棚の金具類の光りが眼に残り、二階への階段は洞穴のようだった。一足一足、跛をひ....
沼のほとり」より 著者:豊島与志雄
りの餉台、茶箪笥の桑の木目、鏡懸けの友禅模様、違い棚の真中にある大きな振袖人形、縁起棚の真鍮の器具……そうした室の中に、みさちゃんと呼ばれた小女は、行儀よくまめ....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
り》せる壁には中形《ちゅうがた》の浴衣《ゆかた》かかりて、その傍《かたわら》なる縁起棚《えんぎだな》にはさまざまの御供物《おくもつ》賑《にぎわ》しきが中《なか》....
寺じまの記」より 著者:永井荷風
つあるわけである。窓の戸はその内側が鏡になっていて、羽目《はめ》の高い処に小さな縁起棚《えんぎだな》が設けてある。壁際につッた別の棚には化粧道具や絵葉書、人形な....