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「縁遠い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

縁遠いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
会を率いてどう元老輩をあやつるかが見ものだよ」といっていた。その言葉が特別に園に縁遠い言葉としてかえっていつまでも耳底に残った。 三等車の中央部にあるまん丸な....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
くろくび》であるとか、行燈《あんどん》の油をなめるとか云い触らすので、さなきだに縁遠い彼女をいよいよ廃《すた》りものにしてしまったのである。 そのなかでも最も....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
し、年頃ではあり、これまでに二、三度も縁談の申し込みがあったそうですが、やっぱり縁遠いというのか、いつも中途で毀れてしまって、いまだに独り身です。と云って、別に....
三角形の恐怖」より 著者:海野十三
迫観念から退れることはできまいという事も思い合わせることが出来ました。 科学に縁遠い人間に、三角形に対する恐怖を抱かせることの出来た私は、もうそれで所信の点を....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
得の人間を婿には出来ないとか、色々むずかしいことを云って断ってしまうので、自然に縁遠い形になって、お嬢さまは二十一になるまで親の手許にいて、相変らず薙刀や竹刀撃....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
「説明に及ばず。私も一所に見ていたよ。吃驚した。時々放れ業をやる。それだから、縁遠いんだね。たとえばさ、真のおじきにした処で、いやしくも男の前だ。あれでは跨い....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
れわれは止むを得ず、人間界の措辞用語を借り、時とすればうっかりして、真意とは大分縁遠い言葉を使ったりする。いかなる霊界通信にも、そう言った短所がある。霊界通信が....
「ファン」について」より 著者:伊丹万作
しない。 私の経験では、軽症映画中毒患者の写真の見方よりも、平素まつたく映画に縁遠い連中の見方の方が純粋でかつ素直である。 そして、こういう連中の批評が実に....
経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
も古い店で、お妻は人並に育てられ、容貌は人並以上であったが、この時代の娘としては縁遠い方で、ことし十九になるまで相当の縁談がなかった。家には由三郎という弟がある....
深川女房」より 著者:小栗風葉
来年は二十でございますからね、もう一だの二だのという声がかかった日にゃ、それこそ縁遠いのがなお縁遠くなりますからねえ」 「阿母さんもまあ! 何ぼ何だって、そんな....
褐色の求道」より 著者:岡本かの子
し、支那風でもなし、人によっては回教の寺とも思わしめるほど、およそ東洋の寺院とは縁遠い様式である。数寄の者の建てたエキゾチックな別荘――一口に斯う言ってしまった....
五色蟹」より 著者:岡本綺堂
らの子供ですらも捕えるのを恐れていた。殊に嫁入り前の若い女がこの蟹を見ると、一生縁遠いか、あるいはその恋に破れるか、必ず何かの禍いをうけると恐れられていた。 ....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
駅尽頭の蕎麦屋の娘で、飛騨小町と謳われる程の美人であったが、何ういう訳か不思議に縁遠いので、三十に近いまで独身で過した。 お杉が評判の美人であるにも拘らず、盛....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
白隠(慧鶴の号)のような直観体験から直ぐ生活に利益しようとする素質の人には可なり縁遠いものであったろうと思う。若き白隠=慧鶴がこの聖典に対して、全くの手掛りなく....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
す。如何に田畑は肥えているにしろ、種子も蒔かぬ、根も卸さぬ田畑は、実際の収穫には縁遠いものであります。それはちょうど、農夫がただ肥えふとった田畑を見て、独りで楽....