縊死[語句情報] »
縊死
「縊死〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
縊死の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
んの手がかりも無かった。それから三月ほどの後に、八王子の山のなかで彼に似たような
縊死者を発見したが、死体はもう腐爛しているので、その人相もはっきりとは判らなかっ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
い」 与兵衛と幸八を別間へ呼び込んで、半七は自分の意見を述べた。自分はこれまで
縊死者の検視にもしばしば立ち会っているが、わが手で縊れて死んだ者があんなに苦悶の....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
の掃除にはいった機関兵は偶然この下士を発見した。彼は煙突の中に垂れた一すじの鎖に
縊死していた。が、彼の水兵服は勿論、皮や肉も焼け落ちたために下っているのは骸骨だ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
ものもあれば、また、師の人物が大き過ぎて、悪魔か聖者か分らないため、迷いに迷って
縊死したのもある。また、師の発明|工風中の空中飛行機を――まだ乗ってはいけないと....
「蠅男」より 著者:海野十三
か、自殺か? すると、正木署長が叫んだ。 「おお血や、血や」 「ナニ血だって?
縊死に出血は変だネ」 と村松検事は屍体を見上げた。そのとき彼は愕きの声をあげた....
「銀座幽霊」より 著者:大阪圭吉
枝は、自殺したのか? それとも他殺か? けれどもこの疑問に対しては、警察医は、
縊死とは違って、自分から手拭で首を締めて死ぬなどと云うことは、仲々出来ないと云う....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
が、寵愛の嵐鯛十郎という上方役者のためにやはり絞殺されて、鯛十郎もその場去らずに
縊死を遂げてしまった。そして、この二つの他殺事件にはいっこうに動機と目されるもの....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
てた或る重要資材の鉱脈のことを、内緒にしているんだ。その仲間というのは、山の中で
縊死自殺の形で白骨になっているのを発見されたが、遺書もなんにもない。ただその生前....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
った。 「ああ、これは自殺じゃないんだ!」 杜はハッと顔色をかえた。 自殺の
縊死だと思っていたのが、縄の引っ張ってある具合から、これは他殺でないと出来ないこ....
「百物語」より 著者:岡本綺堂
さきの夜の白い女は単に一種の妖怪に過ぎないのか。あるいはその当時から島川はすでに
縊死の覚悟をしていたので、その生霊が一種のまぼろしとなって現われたのか。それはい....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
からだ。一人は私の犯罪を知って、恐喝をしに来たからだ。自責のために私は死ぬ。私が
縊死をした松の木の下を、試みに掘って見るがよい。二つの骸骨が出るであろう。私の殺....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
ばかり開かれているのだ――小六は、左右に玻璃燈籠を吊した、紐に縄をかけて、無残な
縊死を遂げているのであった。 「ねえ先生、いったい全体、小六は自分から死のうとし....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
動脈も迷走神経も、幡江はともども、一文字に掻き切られてしまったのだよ。何故なら、
縊死者の眼を見ても判る通りだが、激しい息を吐く際には、脳が膨張するので、眼球がそ....
「機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
って居りました。処がまあどうでございましょう。彼はそういう罪で入獄する、つづいて
縊死を遂げたという悲報に接しました時の私の心持ち、まあどんなだとお思いになります....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
平和で住民が安居し、ロシヤ、フランス、イギリス等の駐屯区域では兵隊が乱暴するので
縊死するもの、井戸に投じ、焼死するものが続出し、そうした区域からの避難民は争って....