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縞目
「縞目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
縞目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
感じがする女だった。そして、薄汚ない篠輪絣《ささのわがすり》の単衣《ひとえ》に、
縞目も見えなくなった軽山袴《かるさんばかま》をはいていて、服装だけは、いかにも地....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
レームの横に中腰になって、目盛盤をしずかにうごかしていった。ドレゴの目に、沢山の
縞目がゆるやかになって来て、やがて映像が幕の上にぴったりと固定するのが分った。 ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ンクリートの太い柱は、ずっと遠くまで重なり合って、ところどころに昼光色の電灯が、
縞目の影を斜に落としているのが見えた。どこからともなく、ヒューンと発電機の呻りに....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
からであった。 少女はまだ八つか九つぐらいで、袖のせまい上総木綿の単衣、それも
縞目の判らないほどに垢付いているのを肌寒そうに着ていた。髪はもちろん振り散らして....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
車輪模様の数がふえるにつれて、微かに異様な跡が現われてきた。その色大理石と櫨木の
縞目の上に残されているものは、まさしく水で印した跡だった。全体が長さ二尺ばかりの....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
部からと、翼端からと、黄いろをおびたガスが、滝のようにふきだし、うしろにきれいな
縞目の雲をひいている。そしてぐんぐん空高くまいあがっていく。 そのカモシカ号の....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
ら、やっぱり悚然として立淀んだ。 洗面所の壁のその柱へ、袖の陰が薄りと、立縞の
縞目が映ると、片頬で白くさし覗いて、 「お手水……」 と、ものを忍んだように言....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
祈って願掛けする、「お稲荷様のお賽銭に。」と、少しあれたが、しなやかな白い指を、
縞目の崩れた昼夜帯へ挟んだのに、さみしい財布がうこん色に、撥袋とも見えず挟って、....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
まだ杢若に不思議なのは、日南では、影形が薄ぼやけて、陰では、汚れたどろどろの衣の
縞目も判明する。……委しく言えば、昼は影法師に肖ていて、夜は明かなのであった。 ....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
此の巷に照りつけて来た。キャフェの差し出し日覆いは明るい布地にくっきりと赤と黒の
縞目を浮き出させて其の下にいる客をいかにも涼しそうに楽しく見せる。他の店の黄色或....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
の毛を藤蔓のようなものでぐるぐると巻き付けて、肩のあたりに垂れていました。着物は
縞目も判らないように汚れている筒袖のようなものを着て、腰にはやはり藤蔓のようなも....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
午後の陽射しを受けて淋しく燻し銀色に輝く白樺の幹や、疎らな白樺の陰影に斜めに荒い
縞目をつけられて地味に映えて居る緑の芝生を眺めて居た。 ワルトンの言葉に薄笑い....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
眉の、目の涼しい、引しめた唇の、やや寂しいのが品がよく、鼻筋が忘れたように隆い。
縞目は、よく分らぬ、矢絣ではあるまい、濃い藤色の腰に、赤い帯を胸高にした、とばか....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
わせようし、夜鷹ならば羽掻をしめて抱こうとしたろう。 婦は影のように、衣ものの
縞目を、傘の下に透して、つめたく行過ぎるとともに、暗く消えた。 その摺れ違った....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
うと想像されるが、冬の老樹の枯れ朽ちたる今の姿は、唯凄愴いものに見られた。身には
縞目も判らぬような襤褸の上に、獣の生皮を纏っていた。其の風体が既に奇怪であるのに....