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「縦断〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

縦断の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
備隊で同僚を殺し、偵察機一台をさらってここへ逃げこんできた英人飛行士で、その後、縦断鉄道測量隊をヤンブレで襲い、当分防虫剤やガソリンには不自由しないと、バイエル....
工場細胞」より 著者:小林多喜二
く燃え上ると、仕上場にいる職工の片頬だけが、瞬間メラ/\と赤く燃えた。 天井を縦断している二条のレールをワイヤー・プレーをギリ/\と吊したグレーンが、皆の働い....
自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
単な円錐形または紡錘形となる代わりに、どうかすると、表面に週期的の皺を生じ、その縦断面の輪郭が波形となることがある。この原因についてもあまりよく知る人がないよう....
白峰山脈縦断」より 著者:小島烏水
足点とした、湯島温泉へ下られるということであったから、もし天候が嶮悪で、白峰山脈縦断が、覚束なかったら、その路を取って、引き返すはずにして、きょうは天候も悪いし....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
せにたち割った絶壁の斜面に、墜石崩石は、ざっくばらんにほうりだされている。絶壁の縦断面には、灰青色の熔岩を見ないでもないが、上を被覆するゴロタ石のために、底の岩....
函館の大火について」より 著者:寺田寅彦
することもそう珍しくはない。そういう時はたいていきまって著しい不連続線が日本海を縦断して次第に本州に迫って来る際であって同時に全国いったいに気温が急に高まって来....
三斜晶系」より 著者:寺田寅彦
飯を食いに上がった。デパートの休日でない日はそれほど込み合っていない。 室内を縦断する通路の自分とは反対側の食卓に若い会社員らしいのが三人、注文したうなぎどん....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
いものであった。一挺の山駕籠へ高蔵尼を乗せ、それを囲んで有髪の尼達が、秩父連山を縦断して三浦三崎の方へ出かけたのである。 ところが一方昆虫館でも、一つの事件が....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
部級、幹部級乃至中小記者、との間にも又そのイデオロギーの開きがある。ばかりでなく縦断的にも亦イデオロギーの距たりがあるのである。実際どこでもそうだが、特に『朝日....
颱風雑俎」より 著者:寺田寅彦
心は土佐の東端沿岸の山づたいに徳島の方へ越えた後に大阪湾をその楕円の長軸に沿うて縦断して大阪附近に上陸し、そこに用意されていた数々の脆弱な人工物を薙倒した上で更....
ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
は七時半を指している。 僕はここの湖畔の旅舎に一夜ねむり、あくる日は此の大湖を縦断して、アルプス山系の延びて来ている南独逸の山中に行こうとするのである。そこで....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
」というと侍は、またも懐中へ手を入れたが、取り出したのは精妙を極めた、同じ船体の縦断面であった。 「さあここだ、なんというな?」 航と呼ばれる敷木の上へ、ピッ....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
は見えない、異様に鋭く、異様に痴呆的の狂人じみた眼が光っていたが、その二つの眼を縦断して険しい高い鼻があり、その下に前歯を食いしめて、唇ばかりをポッカリとあけた....
書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
よるものが規準となった。現代に於ては、本も甚だ多衆的なアンチームな姿を以て世紀を縦断している。この現代である。所で日本の現在、本はどんな姿をしているか。改めてい....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
而して表玄関の受附には明治の初年に海外旅行免状を二番目に請取って露国の脳脊髄系を縦断した大旅行家の嵯峨寿安が控えていた。揃いも揃って気骨稜々たる不遇の高材逸足の....