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「縦横無尽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

縦横無尽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
たてがみ》を振り立てて狂い廻っているのを無上の楽しみとしていた。彼は自分の野性を縦横無尽に発揮して、それを生き甲斐のある仕事と思っていた。 それが去年の春から....
電気看板の神経」より 著者:海野十三
。その危険きわまる電線が生命の唯一の安全地帯である住家の中まで、蜘蛛の巣のように縦横無尽にひっぱりまわされてある。スタンドだ、ヒーターだ、コーヒー沸しだ、シガレ....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
帝都の空を眺めることが出来た。その真暗な空には、今も尚、照空灯が、青白い光芒を、縦横無尽に、うちふっていた。高射砲の砲声さえ、別に衰えたとは思われなかった。なん....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
い。あたまの上の山からは瀧のように水が落ちて来る、海はどうどうと鳴っている。雷は縦横無尽に駈けめぐってガラガラとひびいている。文字通りの天地震動である。こんなあ....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
じは受けずに、威嚇されるのだった。 兵士は守備区域の作業をつゞけた。街路には、縦横無尽に、蜘蛛の巣のような、鉄条網が張りめぐらされた。辻々には、ゴツゴツした拒....
人造人間事件」より 著者:海野十三
とだから細々とした機械がギッシリ詰っていて、その間を赤青黄紫と色とりどりの紐線が縦横無尽に引張りまわされているのであった。なんという複雑な構造だろう。竹田博士の....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
ら、四ツ目あたりに咲き掛けた紅白の牡丹も曇ろう。……嘴を鳴らして、ひらりひらりと縦横無尽に踊る。 が、現なの光景は、長閑な日中の、それが極度であった。―― ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
って、芥穴を自然に躍った、怪しき精のごとき南瓜の種が、いつしか一面に生え拡がり、縦横無尽に蔓り乱れて、十三夜が近いというのに、今が黄色な花ざかり。花盛りで一つも....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
いう気持は絶えずあったわけなのだ。しかしもうその頃、子供の領域を脱していたから、縦横無尽に動くことは出来ないのだという諦めも半分あった。 私の隣の席に熱心なカ....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
から来る必要として、充分に馬術に達していた。曠野を自在に駆けることも、森林の中を縦横無尽に、走り廻ることも出来るのであった。 で、今も茅野雄を追い抜いて、その....
赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
人は急いで塔を出た。 気付いて囲繞んだ叛軍の群を、例の精妙の「か音の一手」で、縦横無尽に切り払い、一散に城外へ走り出た。城外には予め備えて置いた、彼の五十人の....
暗黒星」より 著者:黒岩涙香
に埋められんとするのである。 七十 その上に強い電火が天の全面をば、間断なくかつ縦横無尽に光り渉る、これに接する者は直ちに電殺され電壊さるるはずであるが、もう殺....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
こに神咒を唱えつつ、右の手の食指を突立ててあたかも剣をもって空中を切断するように縦横無尽に切り立て、それでもなお霰弾がどしどしと平原に向って降り付けると、大いに....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
の頭の中にあらゆるものを一|嘗めに浚って行ったあとは、超自然のような勢力が天地を縦横無尽に駆け廻る、その勢力に同化してしまって洋々蕩々たる気持になってしまうのだ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
でも私の筆はこの目ざす一大驚異境に達しなかったからだ。 来た、来た。今度こそは縦横無尽だ。 飛躍、飛躍。 海豹島こそ見物だろうと人はいった。私にしろこの樺....