縦覧[語句情報] » 縦覧

「縦覧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

縦覧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
併し、小さき祠《ほこら》はことごとく川へ流さしむ。さて神体等を社殿へ並べて衆庶に縦覧せしめけるに、合祀を好まぬ狂人あり、あらかじめ合祀行なわるれば必ず合祀社を焼....
ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
哀がられているらしい。しかし十三郎は才子である代りに、稍《や》や放縦で、或る新聞縦覧所の女に思われた為めに騒動が起って新聞の続物に出た。女は元と縦覧所を出してい....
坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
、半町ばかり、向うの方で急にわっと云う鬨の声がして、今まで穏《おだ》やかに諸所を縦覧していた連中が、にわかに波を打って、右左りに揺《うご》き始める。喧嘩だ喧嘩だ....
満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
な風に働いていられるか、ざあっとその状況を目撃さしていただけばたくさんですから、縦覧《じゅうらん》すべき箇所を御面倒でもちょっと書いて下さいませんか。 河村さ....
」より 著者:夏目漱石
方が、つい楽になる。だから宗助の淋《さび》しみは単なる散歩か勧工場《かんこうば》縦覧ぐらいなところで、次の日曜まではどうかこうか慰藉《いしゃ》されるのである。 ....
カーライル博物館」より 著者:夏目漱石
籍を蒐《あつ》めてこれを各室に按排《あんばい》し好事《こうず》のものにはいつでも縦覧《じゅうらん》せしむる便宜《べんぎ》さえ謀《はか》られた。 文学者でチェル....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
話をして聴かせた。それは近ごろ矢場というものがすっかり廃れて、それが銘酒屋や新聞縦覧所に変ってしまったという噂が出たときのことである。明治以後でも矢場は各所に残....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
く、すなわち其処には願がけの縁結びと男を呼ぶ女と、女に買わるる男と、銘酒屋と新聞縦覧所と楊弓店と、更には大金と一直と草津とがある。独り老男老女に取っては伝法院と....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、越中の立山は立山のように、加賀の白山は加賀の白山のように――展望において、やや縦覧を惜しまれている東南部、針木、夜立、鹿島槍、大黒の山々、峠でさえも、東北の方....
雑記(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
つめたゆるい傾斜を上りつめると、突きあたりに摺鉢のような池の岸に出た。そこに新聞縦覧所という札のかかった妙な家がある。一方には自動車道という大きな立札もある。そ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
あろう。 テーブルの片端には、赤っぽい古い端本《はほん》が一冊見えていた。書籍縦覧所の古い十二折型の体裁から見ると、それは小説の本らしかった。表紙には太い大文....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
品並びに宮内省|御物等をも拝借し、各種にわたった名画名器等を陳列し、それを一般に縦覧を許すことにしました。そうして、宮様を総裁に頂きまして、歴とした会が成立した....
式部小路」より 著者:泉鏡花
時はそうとも思わず、ははあ、こりゃやはり自分たちと同様|風説ばかりで、一体、実際縦覧をさせるか、させぬか、そこどころちとあやふやな華族の庭。こりゃ、遠慮をして見....
銀座」より 著者:永井荷風
思っていた。 その頃には銀座界隈には、己にカフェエや喫茶店やビイヤホオルや新聞縦覧所などいう名前をつけた飲食店は幾軒もあった。けれども、それらはいずれも自分の....
食道楽」より 著者:村井弦斎
験を冀望すれば何時にてもこれに応じ、また世の信用を得んがため毎週一回公衆に同社を縦覧せしむ。牛乳屋のボルレー真正に良牛乳を市民に与えんとの冀望より、牛乳を貯蔵す....