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「縫取り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

縫取りの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
かな方法を一つ、諸君にお授けしましょう。どうか、その男の左の袖のカフスの内側と、縫取りしたモーニング・ラッパーの広いほうのポケットのなかにあるはずのいくつかの小....
婦人の創造力」より 著者:宮本百合子
が強く強く主張されるように理解されるように心を打つ文学、そういう風なものが少く、縫取りしたもの、やはり女細工で色どりがきれいでしなやかな、あってもなくても日本の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
て、隅っこにかたまって、ハーモニカを吹いているところへ、例の春日長次郎――広袖の縫取りのある襦袢《じゅばん》とも支那服ともつかないものを着て、大口のようなズボン....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
た微笑を、誰に向っても惜しむことのないお雪ちゃん―― お雪ちゃんは今、柳の間で縫取りをしている。 縫取りといっても、ここでは道具立てをしてかかるわけにはゆか....
ワンダ・ブック――少年・少女のために――」より 著者:ホーソーンナサニエル
ても、少しも面倒なことは言いませんでした。第一に彼等は、鹿皮で出来ていて、変った縫取りをした、小さな財布のような物を取り出して来て、パーシウスに必ずそれを大切に....
植物人間」より 著者:蘭郁二郎
ような碧い薄物のワンピースを着ていた。たった一つの違いは、この三人のワンピースに縫取りしてある模様が、菊と薔薇と百合と三種類になっていることだった。最初の洋子に....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
上には、緑の繻子で作った立派なハンケチ入れに、MとRとのモノグラムを金糸で鮮かに縫取りしたのが置いてありました。それを見た時、噂にのみ聞いて一目も見なかった、人....
痀女抄録」より 著者:矢田津世子
の眼には、意外に詰らぬものを見る気がされた。それは、綴錦か何かの地に面を二つ三つ縫取りしたもので、焦茶、茶、淡茶、白というような色どりが如何にも地味すぎて、味気....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
》な汚点《しみ》を見出すよりも、投捨てられた襤褸《らんる》の片《きれ》にも美しい縫取りの残りを発見して喜ぶのだ。正義の宮殿にも往々にして鳥や鼠の糞《ふん》が落ち....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
ある。肩裾と称して、芝居で見る熨斗目の着物などとは反対に、わざわざ肩と裾の部分を縫取りして丈夫にしたのである。その風が遠い田舎にはまだ伝わっていて、秋田地方では....