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「繁多〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

繁多の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠義」より 著者:芥川竜之介
」と云う口上である。そこでさすがの佐渡守も、あまりの事に呆《あき》れ返って、御用繁多を幸に、早速その場を外《はず》してしまった。―― 「よいか。」ここまで話して....
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
御免下さい、大きに遅なわりました、松屋新兵衞も御機嫌を伺います筈でございますが、繁多《はんた》でございまして、存じながら御無沙汰になりました、宜しく申上げてくれ....
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
どを二つ三つした上で、ふだんから好きな碁の話に移った。 「おれもこのあいだは御用繁多であったが、幸い今日は非番だ。といって、屋敷に唯つくねんとしていても退屈だか....
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
い》に溢れるような音を立てていた。 十一 それから三日ばかりは御用|繁多《はんた》で、林之助は屋敷を出られなかった。九月にはいって晴れた空がつづいた....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
が明きませんので……」 「御用人が一緒に行ってくれないんですかえ」 「年末は御用繁多で、とてもそんな所へ出向いてはいられないから、来春の十五日過ぎ頃まで待ってい....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
者は粂野美作守家来渡邊織江と申す者、えゝ早々お礼に罷り出ずべきでござったが、主用繁多に就き存じながら大きにお礼が延引いたしました、稍く今日番退きの帰りに罷出まし....
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
世の中に、腹の減るまでうか/\として居るとは愚を極めた事じゃねえか、それに商業|繁多でお前と長く話をしている事は出来ない、帰って下さい」 と云い捨て、桑の煙草....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
ことであるから、普通の意味で理解される政治とほとんど交渉を絶たれた当時の朝廷に、繁多の政務のあるべきはずがなく、したがって公卿の従事すべき公務とても、恒例臨時の....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
けの元気がなく、また実際ふり向くことができず、ケリッヒ夫人のやたらな質問や、その繁多な作法に、すっかりおびえてしまい、ミンナの視線が、自分の顔立や手や動作や着物....
女大学評論」より 著者:福沢諭吉
。又男女席を同うせず云々とて古《いにしえ》の礼を示したるも甚だ宜しけれども、人事繁多の今の文明世界に於て、果して此古礼を実行す可きや否や、一考す可き所のものなり....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
左衞門殿|私もとんと心附かなかった、お前の方にはお話があった事と心得、名主様も御繁多でもあり、殊に小前といえば子のように思って居る所から、お前の方へは後で話をす....
奥の海」より 著者:久生十蘭
なっている。 御用所用人の役目で、物書などの出る幕ではないのだが、その年は事務繁多で手繰りがつかず、金十郎が用人並に格上げされて邸廻りをした。 天保元年に、....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
、チトお目にかけたいものがあって……」 「だから、なんだ、と訊いている」 「御用繁多のあなたをこんなところへお呼立てする以上、申すまでもなく、このたびの金座の件....
学者安心論」より 著者:福沢諭吉
右の次第をもって考うれば、人民の世界に事務なきを患《うれう》るに足らず。実はその繁多にしてこれに従事するの智力に乏しきこそ患《うれ》うべけれ。これを勤めて怠らざ....
拷問の話」より 著者:岡本綺堂
れた。 奉行所では根気よくこの強情な罪人を調べなければならなかった。他の公事が繁多のために、六月中は中止されて、七月一日からまたもや吉五郎の吟味をはじめた。係....