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繃帯
「繃帯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
繃帯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
とテエブルを囲んでいた。
「君はイイナがあの晩以来、確か左の薬指《くすりゆび》に
繃帯《ほうたい》していたのに気がついているかい?」
「そう云えば
繃帯していたよう....
「春」より 著者:芥川竜之介
み勝ちだった。目はその間も額縁《がくぶち》に入れた机の上の玉葱《たまねぎ》だの、
繃帯《ほうたい》をした少女の顔だの、芋畑《いもばたけ》の向うに連《つらな》った監....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
製器具……」
一冊の本に失望したたね子はもう一冊の本を検《しら》べ出した。
「
繃帯《ほうたい》法。巻軸帯《まきじくおび》、
繃帯|巾《ぎれ》、……
「出産。生児....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
その場に傷けられなければならぬ。その人は癒すべからざる諦めか不平かを以てその傷を
繃帯する外道はあるまい。 × 愛は自足してなお余りがある。愛は....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
の前に重役連が集まっていた。何れも外套帽子のまゝの下駄がけであった。重役の一人の
繃帯が誰の目にも着くので直ぐ訊かれるが、火事場の怪我で無いと聞くと誰も皆安心した....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
ておったんや。刈り取られた黍畑や赤はげの小山を超えて、およそ二千メートル後方の仮
繃帯場へついた時は、ほッと一息したまま、また正気を失てしもた。そこからまた一千メ....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
語るところによると、両手がち切れそうな苦痛を感じたという。彼には見せなかったが、
繃帯で包まれた彼の両手は、大火傷をしたようにはれあがり、骨はぐにゃぐにゃになって....
「火星兵団」より 著者:海野十三
相手の様子が、何だか変である。よく見ると、その警官は、あごからのどへかけて、白い
繃帯をまいているのであった。
「君、どうしたんだ、その
繃帯は?」
と言って、佐....
「怪塔王」より 著者:海野十三
なぐさめるとともに、持ってきた衛生材料でもって、手ぎわよく一彦の患部を消毒し、仮
繃帯をぐるぐるまいてくれました。 「塩田大尉、ありがとう。どうもありがとう」 「....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
三甲板にある労働者アパートの、はしから三つ目の窓に、鈴なりの男女の肩越しに、頭に
繃帯を巻いた東洋人の顔がこっちを見ていた。 大尉の胸は、にわかに高鳴った。 ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
で、ココ、ココ、ココヨとも、ココト、とも云うようなんです。 自分のだけに、手を
繃帯した水兵の方が、一番に蚊帳を出ました。 返す気で、在所をおっしゃるからは仔....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
はじめて上げた、女のような優しい眉の、右を残して斜めに巻いたは、笞の疵に、無慚な
繃帯。 お珊は黒目がちに、熟と※って、 「ほんに、そう云うたら夢やな。」 と....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
のち二日目の午後、小包が届いたのである。お医師を煩わすほどでもなかった。が、
繃帯した手に、待ちこがれた包を解いた、真綿を幾重にも分けながら。 両手にうけて....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
をついてこう、横ずわりになって、折曲げている小さな足の踵から甲へかけて、ぎりぎり
繃帯をしていました、綿銘仙の垢じみた袷に、緋勝な唐縮緬と黒の打合せの帯、こいつを....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
らけのコオトを脱がした時、目を眠っているお夏さんの、艶麗なのを見て、こりゃ、薬や
繃帯をなさるより、真綿で包んで密として置く方が可いッて、真面目にいった。 もっ....