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「繊麗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

繊麗の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
った、天才|風《ふう》に蒼白《あおじろ》いなめらかな皮膚の、よく見ると他の部分の繊麗な割合に下顎骨《かがっこつ》の発達した――までどこか葉子のそれに似ていたから....
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
てずれ》と時代のため、派手な色を全く失っていた。 婆さんは年寄に似合わない白い繊麗《きゃしゃ》な指で、九枚の文銭を三枚ずつ三列《みけた》に並べたが、ひょっと顔....
渋谷家の始祖」より 著者:宮本百合子
る時にも、正隆は決して自分をその中点として描いてはいなかった。 幸福は、類なく繊麗な妻の信子の黒い瞳と、愛撫し、愛撫し、愛撫し尽してもまだ足りないように見える....
風流仏」より 著者:幸田露伴
|揃わぬ御言葉、どうでも殿御は口上手と、締りなく睨んで打つ真似にちょいとあぐる、繊麗な手首|緊りと捉て柔に握りながら。打るゝ程憎まれてこそ誓文命|掛て移り気なら....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ざいました。三間の大床いっぱいに、滝と、牡丹と、唐獅子とを描きました、豪壮にして繊麗の趣ある筆格は、まさしく山楽に相違ないと、わたくしは一見して魂を飛ばせるほど....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
とミンナの青い眼との、やさしみのある光を心にいだいていた。手の上には、花のように繊麗《せんれい》な指先の、こまやかな接触を感じていた。そしていまだかつて嗅《か》....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
て見ると、かなり光っていた。あまり近寄ってながめてはいけなかった。多くは線や色の繊麗さを欠いでいた。しかし光輝はそなえていて、かなり強烈な物質的生気をもった風貌....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
爪《つめ》とを持ってるものだ。優美なる藍色服の人々の時代だった。その時代の一面は繊麗であり、一面は壮麗だった。そして人々は遊び戯れていたものだ。ところが今日では....