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繋
「繋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
繋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
は高級な十五円と云う月俸を頂戴致して居りました。唯今でこそ十五円の月給取は露命も
繋《つな》げないぐらいでございましょうが、何分二十年も以前の事で、十分とは参りま....
「影」より 著者:芥川竜之介
は卓上電話のベルが、突然彼の耳を驚かしたからであった。
「私。――よろしい。――
繋《つな》いでくれ給え。」
彼は電話に向いながら、苛立《いらだ》たしそうに額の....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
ら歌ったほど、彼の薬を請うものは、上《かみ》は一藩の老職から、下《しも》は露命も
繋《つな》ぎ難い乞食《こじき》非人《ひにん》にまで及んでいた。
蘭袋は甚太夫の....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
も画面の景色は、――雪の積った城楼《じょうろう》の屋根だの、枯柳《かれやなぎ》に
繋《つな》いだ兎馬《うさぎうま》だの、辮髪《べんぱつ》を垂れた支那兵だのは、特に....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
《かいどう》へ飛び出したそうです。するとある農家の前に栗毛《くりげ》の馬が一匹｜
繋《つな》いである。それを見た半之丞は後《あと》で断《ことわ》れば好《い》いとで....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
さまよって歩こうとは思わなかった。では何が孤独な彼を高天原《たかまがはら》の国に
繋《つな》いでいたか。――彼は自《みずか》らそう尋《たず》ねると、必ず恥かしさに....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
時に、尊徳ほど貧家に生まれなかったことを不仕合せの一つにさえ考えていた。丁度鎖に
繋《つな》がれた奴隷のもっと太い鎖を欲しがるように。
奴隷
奴隷廃止....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
天時報《じゅんてんじほう》」の記者にこの時の彼女の心もちはちょうど鎖《くさり》に
繋《つな》がれた囚人《しゅうじん》のようだったと話している。が、かれこれ三十分の....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
に二人のまわりを立て罩《こ》めて、向う河岸《がし》の薪《たきぎ》の山も、その下に
繋《つな》いである苫船《とまぶね》も、蒼茫たる一色に隠れながら、ただ竪川の水ばか....
「夢」より 著者:芥川竜之介
ど見えなかった。しかし路《みち》ばたのある電柱に朝鮮牛《ちょうせんうし》が一匹｜
繋《つな》いであった。朝鮮牛は頸《くび》をさしのべたまま、妙に女性的にうるんだ目....
「或る女」より 著者:有島武郎
げに頭をもたげて見た。ハンケチは涙のためにしぼるほどぬれて丸まっていた。水夫らが
繋《つな》ぎ綱《づな》を受けたりやったりする音と、鋲釘《びょうくぎ》を打ちつけた....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
一つおかしいのは肉体と幽体との間に紐がついて居ることで、一｜番太いのが腹と腹とを
繋ぐ白い紐で、それは丁度小指位の太さでございます。頭部の方にもモー一｜本見えます....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
」と止められ、志を屈して一年程は独学したれど、はしる馬の如き出京の志し弱き手綱に
繋ぐべきにあらず。十七の春なりし。心を決して父と伯父に乞いもし許されずは出奔せん....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
「三十七節。コイルの一つ（二百三フィートの長さの銅線のコイル）を平たいコイルに
繋なぎ、また他のコイルは（前のと同じ長さのコイルで、同種な木の片に巻いた）電池の....
「県歌 信濃の国」より 著者:浅井洌
らず桑とりて 蚕飼いの業の打ちひらけ 細きよすがも軽からぬ 国の命を
繋ぐなり 四 尋ねまほしき園原や 旅のやどりの寝覚の床 木曽の棧かけし世....