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「繋り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

繋りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
歌行灯」より 著者:泉鏡花
身体を車に引上げて、髪の雫も切らせずに、また海へ突込みました。 この時な、その繋り船に、長崎辺の伯父が一人乗込んでいると云うて、お小遣の無心に来て、泊込んでお....
雛妓」より 著者:岡本かの子
った以上、いつかそれが執り行われることは明かである。だが、すべてが一家三人|珠数繋りでなければ何事にも興味が持てなくなっているわたくしたちの家の海外移動の準備は....
河明り」より 著者:岡本かの子
らしくなった。陸へ上って来ない若い店員が心の底から恋われた。茫漠とした海の男への繋りをいかにもはっきりと娘は自分の心に感じた。 一時はひどく腹を立てても、結局....
食魔」より 著者:岡本かの子
数を利く妹娘のお絹がこんな考えに耽ってしまっていると、もはや三人の間には形の上の繋りがなく、鼈四郎はしきりに煙草の煙を吹き上げては椅子に踏み反って行くだけ、姉娘....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
の店を一人で預って、営業を続けている妻のおみちに取っては永い間離れていてこころの繋りさえもう覚束なく思える新吉でもやっぱり頼みにせずにはいられなかった。彼女はそ....
富士」より 著者:岡本かの子
は伯母の領《うしは》く福慈岳の姿である。姪の女はただ圧倒された。これがわが肉体の繋りかよ。しかもこのものに向って、争《あらが》おうと蓄えて来た胸の中のものなぞは....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
在って慧鶴の覚悟はだんだんこういう風に神秘化して来た。これほど子供のうちより心の繋りを持つ富士が、自分が死んで、やみやみ後に安泰で残る筈がない。自分が死ぬときは....
死者の書」より 著者:折口信夫
す。お聞き及びかえ。 当麻真人の、氏の物語りである。そうして其が、中臣の神わざと繋りのある点を、座談のように語り進んだ姥は、ふと口をつぐんだ。外には、瀬音が荒れ....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
謂っても、「朝顔の露の宮」、あれなどにも、やはり化尼が出て来る。曼陀羅縁起以来の繋りあいらしい。私の場合も、語部の姥が、後に化尼の役になって来ている。 此などは....
奇巌城」より 著者:菊池寛
るらしかった。 警察ではこの博士誘拐事件を、あのジェーブル伯爵邸の事件と何かの繋りがあると目星をつけた。傷ついた賊のいなくなったこと、有名な外科医の誘拐、そこ....
演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
は、「演劇」としての重要な要素を欠きながら、なおかつ、正統的な「演劇」と最も近い繋りをもつている。重要な要素というのは、視覚にうつたえるものが皆無だということで....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
物であった。がやはり人間ではあった。四ん這いに這っているのであった。膝頭に草鞋が繋りつけてあった。両手に草履が繋り付けてあった。膝と手とで歩いていた。彼はヒョイ....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
立というものは、愛が深くて、しかも謙遜な心と心との間においては、むしろ人と人とが繋り合うのに最もふさわしき要件である。今の世の人間同士の孤立は、一つはその掲ぐる....
青服の男」より 著者:甲賀三郎
、北田というんです。僕とは従兄弟の関係がありますが、死んだ小浜の伯父とは全然血の繋りがなく、従って伯父の財産はそっくり僕が継いだんです。所が僕は全くの独りぼっち....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
家へは這入れません」 みゑ「あらまア丁度|宜いじゃアないか、お前が乳母の子なら縁繋りの処へ奉公して、忠義に固く勤めたというので、舅御さまもお悦び遊ばしてのお話が....