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織機
「織機〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
織機の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
息子が寝ついてしまっていた。通り筋の毛糸雑貨屋の主人はこの間まで店へ据えた毛糸の
織機で一日中毛糸を織っていたが、急に死んでしまって、家族がすぐ店を畳んで国へ帰っ....
「作家の手帖」より 著者:太宰治
ことしの七夕は、例年になく心にしみた。七夕は女の子のお祭である。女の子が、
織機のわざをはじめ、お針など、すべて手芸に巧みになるように織女星にお祈りをする宵....
「縮図」より 著者:徳田秋声
られた銀子の母親も、いつか十五の春を迎え、子供の手に余る野良仕事もさせられれば、
織機台にも乗せられ、同じ年頃の家の娘とのあいだに愛情や待遇の差別があり、絶えず冷....
「爛」より 著者:徳田秋声
悍しくよく働いていた。夏が来ると、柿の枝などの年々なつかしい蔭を作る廂のなかで、
織機に上って、物静かにかちかち梭を運んでいる陰気らしい母親の傍に、揺籃に入れられ....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
或る観念を推し進めて行くことによって之を使うことをいうのだ。思想とは観念成長の組
織機構を意味するのである。この組織が広く論理と呼ばれるものであって、そこに思想の....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
* 吾々の記憶が間違っていないならば、最近わが国で発明された能率の格段に優秀な紡
織機は、失業者を彌が上に増加せしめ、ひいて世相を悪化せしめる廉を以て、特許権を与....
「知識と政治との遊離」より 著者:中井正一
とならなければならないことを示しつつある。米国の国会図書館の機構は、正に知識が組
織機構の形で政治に奉仕する実験をしている。全アメリカの図書館の総合カタログをあつ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
あれの家には、実験所もできている」
斉彬は、人に命じて作らせている大蒸汽船、紡
織機械、ピストンの鋳造機、電信機などの設計図のことなど思い出して
(調所は、可哀....
「壁」より 著者:中井正一
来のものでなければならない。 ただそれが今、利潤形態より脱して、さらに企画的組
織機構の要素として発展せんとする未来を展望する時、さらに遠くさらに遠く引きもがれ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
るペチットジェンの方法、木材の乾燥や、それの腐蝕を防ぐ方法、ボネリーの電気応用絹
織機、バァリーの考案にかかる上院の通気法等で、ファラデー一生の最後の講演はジーメ....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
を通して陰鬱なる高塔見ゆ。塔の下は水門にして濁水そこに流れ入る。窓に対して一台の
織機あり。一人の女子その機を織る。綾糸は、青、赤、黄、白、黒の五色とす。糸は天井....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
。そうして小さな経済から大きな資本へと変ってゆきました。また静かな手機から喧しい
織機へと転じました。それは真に烈しい推移でありまして、ついには何千という織手が集....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
「ばかっ、死にたいか」 ――一瞬の後だった。 泥によごれた無数の軍馬の脛が、
織機のように脚速をそろえて、敵方の甲冑武者を騎せ、長槍や陣刀を舞わせながら、二人....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
かしているときも、応接間の客と雑談しているあいだも、何かの繊維が、あたまの中の交
織機に織りこまれ、それが一週間ごとに、一幅の布地になって机から離れてゆくことは、....