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繙
「繙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
繙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
にしばらく響けり。向者《さき》より待合所の縁に倚《よ》りて、一|篇《ぺん》の書を
繙《ひもと》ける二十四、五の壮佼《わかもの》あり。盲縞《めくらじま》の腹掛け、股....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
。帝都に百万人のファンがあるというのも無理がなかった。一郎はいつか外国の名画集を
繙いていたことがあったが、その中にレオン・ペラウルの描いた「車に乗れるヴィーナス....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
分る。 ◯温さのこりて凌ぎよし、晴れて来る。 ◯日曜なれば、暮も静かなり。川柳を
繙くうちに昼となる。子供達、昨日の餅にて腹ふくれの態なり。 ◯角田氏来宅。木々邸....
「春昼」より 著者:泉鏡花
いと申しても、天人神女の俤ではのうて、姫路のお天守に緋の袴で燈台の下に何やら書を
繙く、それ露が滴るように婀娜なと言うて、水道の水で洗い髪ではござらぬ。人跡絶えた....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
の独立戦争もレキシントンから巴黎条約までが七年間である。如何なる時代の歴史の頁を
繙いて見ても二十五年間には非常なる大事件が何度も繰返されている。如何なる大破壊も....
「大脳手術」より 著者:海野十三
。この新なる予感が、重苦しい恐怖となって私の全身を責めつける。 私は一日医書を
繙き、「若返り法と永遠の生命」の項について研究した。その結果得た結論は次の如きも....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
主義と共に本書は日本に於ける斯学にとりて重大な貢献である。 土井晩翠 ――本書を
繙かるる人達の為に―― 淺野和三郎 本篇を集成したるものは私でありますが、私自....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
は依然警戒を怠らず、書記中に他の問題に自分の考を占領させるべく努め、難解の書物を
繙いて、推理を試みつつあったが、それでも通信は、何の障害なしに、規則正しく現れた....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
卑しくも私の趣味性を唆るものあらば座右に備えて悠々自適し、興来って新古の壱巻をも
繙けば、河鹿笛もならし、朝鮮太鼓も打つ、時にはウクレルを奏しては土人の尻振りダン....
「虫喰い算大会」より 著者:海野十三
、あの有名なるアメリカの暗号解読者ヤードリ少佐著の『ザ・ブラック・チェンバー』を
繙かれんことをお薦めします。 さあ、最終のティーへお立ち下さい。 (1)★ ....
「人狼」より 著者:岡本綺堂
い。 (モウロは像を押頂きて元の棚に祭り、正吉とテーブルに向い合いて、再び聖書を
繙く。月のひかり。梟の声。) ――幕―― (「舞台」昭和六年三月号掲載/昭和六年三月、明治座で初演)....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
プを択んだのであるが、もし読者がその旧きを嫌わずして、明るい電灯の下でこの一冊を
繙かれるならば、著者に取っては幸いである。 昭和十年二月 岡本綺堂 こういう話....
「明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
洒落本や黄表紙、八文字屋ものの二ツ三ツぐらい読んでいたけれど、西洋のものは当時の
繙訳書以外には今いったリットンの『ユーゼニ・アラム』だけしか知らず、小説論如きは....
「芙蓉の花にも似た美しい楊貴妃を」より 著者:上村松園
紅潮した皮膚が見えて居ると言った風で……傍には侍女が一人います。 詩集はかなり
繙きましたが白楽天のは殊に愛誦して居りましたし中でもこの長恨歌には深い懐かしみを....
「純情主義を想う」より 著者:小川未明
り真理のある事を否まない。且つ、科学的基礎のあることをば信ずる。たゞこれを漫然と
繙くものに、いずこにか、ナロードニーキの運動を嗤う権利があろう? 現代は、科学....