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「繙く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

繙くの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
》の歴史を繙《ひもと》けば――長い事だからこれはトイフェルスドレック君に譲って、繙くだけはやめてやるが、――人間は全く服装で持ってるのだ。十八世紀の頃大英国バス....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
分る。 ◯温さのこりて凌ぎよし、晴れて来る。 ◯日曜なれば、暮も静かなり。川柳を繙くうちに昼となる。子供達、昨日の餅にて腹ふくれの態なり。 ◯角田氏来宅。木々邸....
春昼」より 著者:泉鏡花
いと申しても、天人神女の俤ではのうて、姫路のお天守に緋の袴で燈台の下に何やら書を繙く、それ露が滴るように婀娜なと言うて、水道の水で洗い髪ではござらぬ。人跡絶えた....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ら見たいと心がけていながら、手に入れ難かった本の一つである。それを昨夜はゆっくり繙くことが出来た。感得という言葉はこういう場合に使われるのであろう。彼はそう思っ....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
沢庵禅師の「不動智」とか、宮本武蔵の「五輪の書」とか、そういう聖賢や名人の著書を繙くことによって、研究を進めた。今、「一刀斎先生剣法書」を読んでいるのもそのため....
読書遍歴」より 著者:三木清
いて学ぶことをしなかったのは、惜しいことであったと思う。近来それら諸先生の著書を繙く機会のあるたびにその感を深くするのである。 その頃日本の哲学界においても次....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
し》』にも出ているとのことであった。私はこれまで折りにふれてはこの『日光山志』を繙くことがあったのだが、ただ拾い読みをするばかりの罰でついにこの草に関する記事を....
人狼」より 著者:岡本綺堂
い。 (モウロは像を押頂きて元の棚に祭り、正吉とテーブルに向い合いて、再び聖書を繙く。月のひかり。梟の声。) ――幕―― (「舞台」昭和六年三月号掲載/昭和六年三月、明治座で初演)....
純情主義を想う」より 著者:小川未明
り真理のある事を否まない。且つ、科学的基礎のあることをば信ずる。たゞこれを漫然と繙くものに、いずこにか、ナロードニーキの運動を嗤う権利があろう? 現代は、科学....