繰込む[語句情報] » 繰込む

「繰込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

繰込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大菩薩峠」より 著者:中里介山
業腹である。そうではない、彼があんまり小さくして弱いものだから、自分の感情の中へ繰込むに足らなかったのだ。 可憐なる存在物! その名は弁信。暴君としてのお銀様....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
おの盛装を凝《こ》らして持つべきものを持ち、哀れっぽい声を振絞って、江戸へ向って繰込むことの体《てい》が世の常ではありません。 「今度、お情け深い江戸の公方様《....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
はずれにあるから、村方へこぼれた祝場を廻り済して、行列は、これから川向の演芸館へ繰込むのの、いまちょうど退汐時。人は一倍群ったが、向側が崖沿の石垣で、用水の流が....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
えてしまった。今演ぜられつつある踊が一段落となって今の見物人が追い出されたために繰込むべく待合わしている此の待合室の客は刻々に人数を増して来た。ガラス張りの戸棚....
三枚続」より 著者:泉鏡花
一軒借りようという処で、家は見つかっている、所帯道具なんぞ、一式調い次第あとから繰込むとするから、私に先へ行って夜だけ泊っていてくれろとこういう話です。 宜う....
思い出草」より 著者:岡本綺堂
師匠のところへ行って、一番|唸ろうという若い衆も、今では五十銭均一か何かで新宿へ繰込む。かくの如くにして、江戸子は次第に亡びてゆく。浪花節の寄席が繁昌する。 ....