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「纏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

纏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
《ほうふつ》した。 それは、道徳家としての彼と芸術家としての彼との間に、いつも綿《てんめん》する疑問である。彼は昔から「先王《せんおう》の道」を疑わなかった....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
も、私自身打ち殺した小夜《さよ》の面影が、箒星《ほうきぼし》の尾のようにぼんやり《まつ》わっていたのに相違ございません。 が、校長は十分私の心もちを汲んでく....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
も私とその男との間には、――あるいは私たちとその男との間には、始めからある敵意が綿《てんめん》しているような気がしたのです。ですからその後《ご》一月とたたない....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
》の脇差《わきざ》しであった。喜三郎も羽織は着なかったが、肌《はだ》には着込みを《まと》っていた。二人は冷酒《ひやざけ》の盃を換《か》わしてから、今日までの勘....
黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
自身のような麻利耶観音へ、思わず無気味な眼を移した。聖母は黒檀《こくたん》の衣を《まと》ったまま、やはりその美しい象牙《ぞうげ》の顔に、ある悪意を帯びた嘲笑を....
首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
った。 それが見えなくなると、今度は華奢《きゃしゃ》な女の足が突然空へ現れた。足《てんそく》をした足だから、細さは漸《ようや》く三寸あまりしかない。しなやか....
おしの」より 著者:芥川竜之介
むあみだぶつ》と大文字《だいもんじ》に書いた紙の羽織《はおり》を素肌《すはだ》に《まと》い、枝つきの竹を差《さ》し物《もの》に代え、右手《めて》に三尺五寸の太....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
突《つっ》ついてでもいるらしい。滑《なめら》かな上方弁《かみがたべん》の会話が、綿《てんめん》として進行する間に、かちゃかちゃ云うフォオクの音が、しきりなく耳....
」より 著者:芥川竜之介
然立ち止ってしまいました。 それも無理はありません。その横町の七八間先には印半《しるしばんてん》を着た犬殺しが一人、罠《わな》を後《うしろ》に隠したまま、一....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
両岸に眼を配《くば》って行った。松は水の上まで枝垂《しだ》れた枝を、鉄網のように《から》め合せて、林の奥の神秘な世界を、執念《しゅうね》く人目《ひとめ》から隠....
将軍」より 著者:芥川竜之介
いたから、早速《さっそく》裏山へ出かける事にした。すると二三町行った所に、綿服を《まと》った将軍が、夫人と一しょに佇《たたず》んでいた。少将はこの老夫妻と、し....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
咲かせるもののことである。 侏儒の祈り わたしはこの綵衣《さいい》を《まと》い、この筋斗《きんと》の戯を献じ、この太平を楽しんでいれば不足のない侏....
忠義」より 著者:芥川竜之介
に、また消し難い憎しみの色をも、読んだのである。 その中《うち》に、主従の間に綿《てんめん》する感情は、林右衛門の重ねる苦諫に従って、いつとなく荒《すさ》ん....
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
いばら》の冠《かんむり》を頂《いただ》かせた。あるものは、彼に紫の衣《ころも》を《まと》わせた。またあるものはその十字架《くるす》の上に、I・N・R・Iの札を....
小杉未醒氏」より 著者:芥川竜之介
じように物柔かである。が、決して軽快ではない。何時も妙に寂しそうな、薄ら寒い影がわっている。僕は其処に僕等同様、近代の風に神経を吹かれた小杉氏の姿を見るような....