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纏う
「纏う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
纏うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蛇の死」より 著者:海野十三
の様な肌を、何かの用で工場へ来合せた吉蔵が一目見て、四十男の恋の激しさ、お由に附
纏う多くの若い男を見事撃退して、間も無く妾とも女房とも附かぬものにしてしまったの....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
まで客を送って行こうと、うるさいほどに勧めている。茶屋の姐さんは呼ぶ、車夫は附き
纏う、そのそう/″\しい混雑のなかを早々に通りぬけて、つゝじ園のつゞいている小道....
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
出しあって、浮れあるきに余念もおわさぬところへ、われわれのごとき邪魔|外道が附き
纏うては、かえって御機嫌を損ずるでござろうぞ。 五郎 なにさまのう。 (とは言い....
「女客」より 著者:泉鏡花
、黒繻子の襟のなり、ふっくりとした乳房の線、幅細く寛いで、昼夜帯の暗いのに、緩く
纏うた、縮緬の扱帯に蒼味のかかったは、月の影のさしたよう。 燈火に対して、瞳|....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
」 「色情狂で、おまけに狐憑と来ていら。毎日のように、差配の家の前をうろついて附
纏うんだ。昨日もね、門口の段に腰を掛けている処を、大な旦那が襟首を持って引摺出し....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
気を奪われたような、むずかしい顔をして眺めて居る。行ったり来たりして、しつこく附
纏う南京豆売り、壁紙売り。角のカフェ・ド・ラ・ペイとこっちのイタリー街の角との間....
「死者の書」より 著者:折口信夫
り、服装なりは、優雅に優雅にと変っては行ったが、やはり昔の農家の家内の匂いがつき
纏うて離れなかった。刈り上げの秋になると、夫と離れて暮す年頃に達した夫人などは、....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
やと動揺み出づる、土間桟敷に五三人、ここかしこに出後れしが、頭巾|被るあり、毛布
纏うあり、下駄の包提げたるあり、仕切の板飛び飛びに越えて行く。木戸の方は一団にな....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
「おお、此方衆はその註文のぬしじゃろ。そうかの。はて、道理こそ、婆々どもが附き
纏うぞ。」 婆々と云うよ、生死を知らぬ夫人の耳に、鋭くその鑿をもって抉るがごと....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
搦め倒そうとする糸が乱れて、網の目のように、裾、袂、帯へ来て、懸っては脱れ、また
纏うのを、身動きもしないで、彳んで、目も放さず、面白そうに見ていたが、やや有って....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
があつた。これは感じからいうとどうもイタリヤ色が濃厚だつたように思う。美女が身に
纏うた大風呂敷のようなものをうち振りうち振り、あたかも自分の肉体の一部であるかの....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
“世評よからず”とある。それが本当であったかも知れない。 初陣の不覚は生涯附き
纏うものだと、むかしの武士は言い習わしているが、わたしの初陣は実にかくの如き不覚....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
あり、猿かと思えば人のようでもある。この寒空に全身殆ど裸で、僅に腰の辺に獣の皮を
纏うているのみであった。 が、斯う見えたのも一瞬時で、燐寸の火は忽ち消えた。火....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
しい夫婦の顔を向き合って菓子位つまむだけだ。ここにも小笹屋の若旦那の大ふうが付き
纏うのか。話をしたいのは山々だが、心からの言葉はつい自分の無教育をも暴露しそうな....
「青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
あるもんか」 「なにッ」 「嚇したって驚きやしないよ。吉川さんが余りうるさく附き
纏うから、百合子は厭がって、逃げッちまったんでしょ」 「そうじゃない。君がかくし....