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纏る
「纏る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
纏るの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
無しで、客の分隔をするような人ではないから――直接にお話しなすって、御縁があれば
纏る分。心に潔しとしない事に、名刺一枚御荷担は申兼ぬる、と若武者だけに逸ってかか....
「食魔」より 著者:岡本かの子
とてできたものはない。たった一つこれだけは漁り続けて来たつもりの食味すら、それに
纏る世俗の諸事情の方が多くて自分を意外の方向へ押流し、使い廻す挺にでもなっている....
「橇」より 著者:黒島伝治
奥へ這入って行った。 そこでも、金はいくらでも出す、そう彼は持ちかけた。そこが
纏ると、又次へ橇を馳せた。 日本人への反感と、彼の腕と金とが行くさきざきで闘争....
「旅愁」より 著者:横光利一
は杞憂にしかすぎぬとしても、もし今かりにその事実を明瞭に話すとすると、この結婚は
纏るよりも崩れる可能性の方が強かった。
矢代は、結婚という神聖なものの際に、そ....
「女の一生」より 著者:森本薫
うむずかしく考えることはないんです。いくら大騒ぎしたって纏らない時は纏らないし、
纏るものなら放っておいたって纏ります。それだから縁というんです。 ふみ あなたの....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
ちゃんとした形はとることができないでしょう。また、私が一年間講義をしても、それが
纏るものとは考えていない。これはひとつ、是非皆さんと一緒にこの問題を考えて行きた....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
ゆかなかった。それは何といいあらわすべきであろうか。早く言うなれば大熊老人の死に
纏る莫然たる疑惑であった。 老人は何故こう脆くも死んでしまったのであろうか。 ....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
なしか座敷から洩れる灯影もまばらで、何処となく陰気臭く眺められた。 その宿屋に
纏るはなしというのはこうである。もはや何年前のことであろうか。四五人の鉱山師仲間....