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「罪悪感〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

罪悪感の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
服装に就いて」より 著者:太宰治
品の雨着物を着ている私は、この豪雨の張本人のような気がして、まことに、そら恐しい罪悪感を覚え、顔を挙げることが出来なかった。吉田に着いてからも篠《しの》つく雨は....
火の鳥」より 著者:太宰治
つは悲惨だ。風の音に、鶴唳《かくれい》に、おどかされおびやかされ、一生涯、滑稽な罪悪感と闘いつづけて行かなければなるまい。高野さちよは、美貌でなかった。けれども....
杉子」より 著者:宮本百合子
ときの気持を思いかえしてみても、そこに今それがわるいこととして示されているような罪悪感は一つもつかめなかった。かくれて教わったという実感さえなくて、自習時間の時....
幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
いましたね。三人の男の人のことを。三人のちがった愛情を、それぞれ感じながら、私、罪悪感に苦しむって。私、この三月、薬をのんで、失敗して生きかえりました。妻のある....
源氏物語」より 著者:紫式部
か思われないのが、源氏はみずから残念であった。宮も過去のある夜の思いがけぬ過失の罪悪感が一生忘れられないもののように思っておいでになって、せめてこの上の罪は重ね....
男女の交際について」より 著者:坂口安吾
程よい風流心、享楽好きの本能や、持ち合せの財産によって遊んだのだから、男女関係を罪悪感で知っているにすぎないのである。 道楽者の道義感は日本伝統の道義感で、処....
未来のために」より 著者:坂口安吾
垢ぬけさせるか、ということだ。恋愛とか情痴とか時に肉体を描きながら、それを世俗的罪悪感によつて反撥の余地のない垢ぬけしたものに仕上げる。そういう最も職人的な技法....
発掘した美女」より 著者:坂口安吾
うもない快感だった。そこでわざと一二分、まだ意識モーローたるフリをした。可愛いい罪悪感。そして、梅玉堂がいとしいような、なんとなく仇めいた気持になった。 「もう....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
なさすぎるのがフシギなほどであった。 悲しくて、怪しいのは、青木の方であった。罪悪感にさいなまれ、行末を案じ、一人でいると、絶叫したくなり、胸をかきむしりたく....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
え不潔感でぞッとするような破廉恥なことだ」と語っている。しかし「自分のしたことの罪悪感にかられ」彼女の父の顔を再び見る勇気がなかった。罪悪感とは彼女の処女を奪っ....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
の良心の清らかさのかわりに、言語に絶する激しい苦痛の地獄へと私を駆り立てる悔恨と罪悪感に捉われたのだ。 こんな精神状態が私の健康をむしばみ、たぶん、それが最初....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
は、潔癖と自制心と同時に、むろん性慾もあるし、甚しい好奇心もある。よき折あって、罪悪感を他に転嫁し自制を失うことができるなら、という気持も必ずあるものだ。それに....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
いるが、自分に生活力がなくて、女房子供に満足な生活をさせてやれない、というような罪悪感から遁走の方向に心が向くというような場合だね。むしろその方が遁走の原動力と....
親鸞」より 著者:三木清
りにおいても彼の思想を厭世主義と考えることはできない。 親鸞においては無常感は罪悪感に変っている。自己は単に無常であるのではない、煩悩の具わらざることのない凡....
澪標」より 著者:外村繁
く。 しかし私の好奇心は今までのように、単なる探究心だけではない。既に何となく罪悪感を伴わないわけにはいかない。少くとも恥ずべき行為であることを知っている。ま....