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罪過
「罪過〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
罪過の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
あによめ》に一言の詫《わび》も言えず、今また兄にも詫ることの出来ないような自分の
罪過《つみ》の深さを考えて、嘆息した。
四十七
神戸の宿屋....
「藁草履」より 著者:島崎藤村
悪かった」と思いたくない。死んでも後悔はしたくない。女房の前に首を垂《さげ》て、
罪過《あやまち》を謝《わび》るなぞは猶々出来ない。なんとか言訳を探出して、心の中....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
代があったとする古典的ギリシアの昔にもあったものであり、更にまた天上の楽園並びに
罪過による失墜に関するカルデアの伝説にも見出さるるものであるが、これは自然の研究....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
敢ず駆けつけて来た。 既に覚悟を極めた支倉はこゝで悪びれもせず、逐一彼の犯した
罪過を白状した。 彼の恐ろしい罪悪の内容は之を脚色すると、正に一篇の小説になる....
「夏目漱石先生の追憶」より 著者:寺田寅彦
笑われたこともある。しかし子供のような心で門下に集まる若い者には、あらゆる弱点や
罪過に対して常に慈父の寛容をもって臨まれた。そのかわり社交的技巧の底にかくれた敵....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
した、殿様が日本一とて御秘蔵の、白い鷹を、このお天守へ逸しました、その越度、その
罪過でございます。 夫人 何、鷹をそらした、その越度、その
罪過、ああ人間というも....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
」というレッテルの有無に拘らず、この問題は解決を要求されるだろう。 自由主義の
罪過はもっと正確に指摘されねばならず、と同時に自由主義の功績はもっと積極的に評価....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
着が容易に除れるものでない事は、すでに申上げましたが、序でにモー少しここで自分の
罪過を申上げて置くことに致しましょう。口頭ですっかり悟ったようなことを申すのは何....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
かったら、世の中はどうなるであろう? 人は他人のために罪を贖《あがな》い、他人の
罪過を身に荷《にな》い、おのれの価値を他人に与え、世のために神の前を取りなしてや....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、驕慢《きょうまん》と異端とを平然としてののしっていた。そして右の二つに、芸術の
罪過と人類の悪徳とを帰していた。文芸復興、宗教改革、および彼が同じ袋に入れて論じ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
・クールが的となった。彼はいつも不公平と激情とのために、オリヴィエが犯したはずの
罪過の責任を、レヴィー・クールにもっていった。レヴィー・クールのような奴《やつ》....
「アインシュタインの教育観」より 著者:寺田寅彦
知っているか、あるいは知り得る事を聞き出す事でなければならない。それで、こういう
罪過の行われるところでは大概教師の方が主な咎を蒙らなければならない。学級の出来栄....
「省察」より 著者:デカルトルネ
りも、私において或る意味でいっそう大きな完全性であるからである。しかるに、虚偽と
罪過との形相的根拠がただそれにのみ存するところの欠存は、神の何らの協力をも必要と....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
てやることは、どんな脅迫にも屈しないで良心の眼かくしをはねのけ、はっきりと時代の
罪過を見つめて来たものだけに出来ることなのだ。私は、何年かの後に、そういう諸君と....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
た最初の推服を次第に減じたが、沼南の百の欠点を知っても自分の顔へ泥を塗った門生の
罪過を憎む代りに憐んで生涯面倒を見てやった沼南の美徳に対する感嘆は毫も減ずるもの....