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「置きっ放し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

置きっ放しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
無名作家の日記」より 著者:菊池寛
、これほど焦躁のうちに努力して書き上げた作品を、一カ月半もの間、一読もしないで、置きっ放しにしておいた博士を、俺は少し呆気《あっけ》に取られて見た。が、博士には....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
した。 「いくらきちがいだってお前、この寒いのに井戸側《いどばた》へ、水をかけて置きっ放しにしたんじゃ凍《こご》え死んでしまうじゃねえか」 米友は同情しました....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
山の宿屋というものを、思わせる「糸屋」と看板を出した旅籠屋には、椽側に紡車を置きっ放しにして、ひっそりかんとしている、馬車はここで停まった。 私は重い行李....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の強力に化けた奴は、たしかにその一味の者共だ。そうしてあいつらが、坂本の宿へ馬を置きっ放しにして姿を晦《くら》ましたのは、言わずと知れた妙義の裏山から信州へ出て....
第四次元の男」より 著者:海野十三
まりかえっているし、はき溜を置いてあるでなし、ドブ板があるでなし、リーヤ・カーが置きっ放しになっているではなし、ましてやネオンサインも看板もない。そこに在るもの....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
日は七兵衛の奴が珍しくどこかへ出かけてしまいました、その後に鎧櫃《よろいびつ》が置きっ放しにしてありますから、見るだけでも見て下さい」 「鎧櫃がどうしたの」 「....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
出してしまいました。 紙屑買ののろま清次が、一たまりもなく逃げ出した後で、その置きっ放しのカンテラを取り上げて、 「ザマあ見やがれ」 苦笑いしながら、現場を....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
して全く動けないようにして、また比目魚を置き返すように表を返して、大道の真中へ、置きっ放し、 「誰も手をつけると承知しねえぞ」 こういって山崎譲は、がんりきか....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
のだが、事態はそんなことには頓着せず、番頭も、馬子も、呑気なもので、馬を道わきへ置きっ放しにして、早くも雨乞いの踊りの庭へ乗込んでしまったのですから、米友もいま....
変な男」より 著者:豊島与志雄
駄は、辰代が昼間洗い清めて、裏口に干していたのを、夕立の時慌てて取込んで、玄関に置きっ放しにした筈だった。そう思って彼女は、なお玄関の土間をよく見ると、隅の方に....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
趣味や間違った音に出会っても、ただ寛大な微笑をもらすのみだった。批評なんか戸外に置きっ放しにしておいた。愛するために来たのであって、批判するために来たのではなか....
窃む女」より 著者:黒島伝治
考えられなかった。と云って、如何に単純でたくらみがないとは云え、窃んだ物を台所に置きっ放しにして平気でいられようとは思われなかった。 「窃んだのじゃあるまい。買....
暗号数字」より 著者:海野十三
にかけとくと立派だぜ」 「ジョナソンのポスターって、あああれだわ、まだ丸めたまま置きっ放しになっていたわ。これなんでしょう」 と、マダムは戸棚からぐるぐる捲き....
火夫」より 著者:カフカフランツ
そのときいっしょにいこう。トランクが盗まれていたら、どうしようもないし、その人が置きっ放しにしておいたなら、船がすっかり空っぽになれば、それだけ見つけやすいわけ....
」より 著者:カフカフランツ
ちにその書類が分配される望みがあるかどうか、確かめようとしている。ところで、この置きっ放しになっている書類はたいていはとくに大きな大きな束であった。そしてKは、....