置去り[語句情報] » 置去り

「置去り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

置去りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
活人形」より 著者:泉鏡花
無事に帰してやれ。「へい左様なら。と八蔵は勝手に行きて銀平を見れば、「八、やい、置去りにしてどこへ行っていた。というさえ今は巻舌にて、泥のごとくに酔うたるを、飲....
四十年前」より 著者:内田魯庵
もなくて歌舞伎年代記を繰返していると同じであった。が、大勢は終に滔々として渠らを置去りにした。 かかる折から卒然|崛起して新文学の大旆を建てたは文学士|春廼舎....
大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
が隊に追跡を受けつつある火星人を見て、この火星人らを救う遑もなく、あわてて彼らを置去りにしたまま逃走せるものの如し” この報告が間違っていることは、読者諸君は....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
の待人 この事件が起こって以来ずっと一緒に手をとって来た親友水戸記者を大西洋に置去り、自分ひとりアイスランドへ帰っていくドレゴの気持ちは、さすがに晴れなかった....
青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
部屋へ行ったのも少し変じゃないか」 「ガソリンがなくなったから、已むなくあそこへ置去りにしたんでしょう」と言った時、後のドアが開いて、一人の刑事が係長へ解剖の報....
黒猫十三」より 著者:大倉燁子
心の眼を輝かせて見惚れていた。 夜になった。宮岡警部はどうしたのだろう、二人を置去りにしたまま、まだ姿を見せなかった。 「きっと、いまに、自動車で迎えに来るん....
富士」より 著者:岡本かの子
きできるようになると、翁はこれを山に持って行って置いて来た。 山の麓にこどもを置去りにして来て、果してそれで育つものかどうか危ぶまれた。しかしどこへ置いたとこ....
人狼」より 著者:岡本綺堂
にいても仕様がない。さあ、お妙さんはおれが途中まで送って遣ろう。 昭全 わたしを置去りにして、お妙さんだけを送って遣るのか。おまえも随分親切だな。 源五郎 ええ....
西瓜」より 著者:岡本綺堂
っているのかと、わたしは少しく烟に巻かれたようにぼんやりしていると、彼はわたしを置去りにして、その人を迎えるように足早に進んで行ったかと思うと、やがて続けてその....
停車場の少女」より 著者:岡本綺堂
不安になって来ましたので、乗ろうか乗るまいかと考えているうちに、汽車はわたくしを置去りにして出て行ってしまいました。 もうこうなると次の列車を待ってはいられま....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
嘩をした結果、同じく気の早い職人は「どうでも勝手にしろ。」と、山小屋に重蔵一人を置去りにして帰って了った。而も其処には伐倒された杉や山毛欅の材木が五六本残ってい....
夢のお七」より 著者:岡本綺堂
であるから、酔いがさめれば勝手に帰るであろう、と他の三人はそのままにして帰った。置去りにされたのも知らずに、治三郎はなお半時ばかり眠りつづけていると、彼は夢を見....
四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
ものが矗々と立っている。これは即ち山査子の灌木。俺は灌木の中に居るのだ。さてこそ置去り…… と思うと、慄然として、頭髪が弥竪ったよ。しかし待てよ、畑で射られた....
運命論者」より 著者:国木田独歩
の》為《ため》更に重くなったのを気の毒とも思ず、遂《つい》に乳飲児《ちのみご》を置去りにして駈落《かけおち》して了《しま》ったのだと話しました。 老僧は猶《な....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
もしも船乗調子の船乗物語や、 暴風雨や冒険、暑さ寒さが、 もしもスクーナー船や、島々や、置去り人や海賊や埋められた黄金や、 さてはまた昔の風のままに再び語られた あら....