置土[語句情報] » 置土

「置土〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

置土の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
福慈岳で女神の娘と訣れてから旅の中にすでに半歳以上は過ぎた。訣れは憤りと呪いを置土産にいで立ったものの、渡海の夜船の雨泊中に娘の家の庭から拾って来た福慈岳の火....
旧主人」より 著者:島崎藤村
いうのは、柱に倚《もた》れての御独語《おひとりごと》でした。浮気な歓楽が奥様への置土産は、たったこの一語《ひとこと》です。 次第に奥様は短気《きみじか》にも御....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
って、手足の利かないお千恵さんを匕首で嚇し付けて、どうで女郎に売られる体だから、置土産におれの云うことを肯けなどと迫ったそうです。こんにちの言葉でいえば監禁暴行....
老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
足らぬものの恋なぞは、心にも止めていられないのだ。 カチカチと、オランダ渡りの置土圭が、静かな時の刻みをつづけていった。――勿論殿から拝領の品だった。追放の身....
新ハムレット」より 著者:太宰治
けれども、わしは信じている振りをしていようと思っています。ポローニヤスの、これが置土産の忠誠でございます。王さま、いや、クローヂヤスさま。三十余年間、臣ポローニ....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
思う)。その後、春秋社に這入《はい》った私が、喧嘩別れをして出た時に、大菩薩峠を置土産にして去ったのであった。 「苦楽」が発行されることになって、私が編輯の任に....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
事、四十八歳 粋人 (浪花) 世間胸算用、五十一歳 遊興戒 (江戸) 西鶴置土産、五十二歳(歿) 吉野山 (大和) 万の文反古、歿後三年刊行 貧の....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
のが見えたので、其板橋の堅さを仮りてと橋の上にかかったが、板橋では無くて、柴橋に置土をした風雅のものだったのが一踏で覚り知られた。これではいけぬと思うより早く橋....
置土」より 著者:国木田独歩
弾に中るか病気にでもなるならば帰らぬ旅の見納めと悲しいことまで考えて、せめてもの置土産にといろいろ工夫したあげく櫛二枚を買い求め懐にして来たのに、幸衛門から女房....
西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
れから引続いて『五人女』『一代女』『一代男』次に『武道伝来記』『武家義理物語』『置土産』という順序で、ごくざっと一と通りは読んでしまった。読んで行くうちに自分の....
次郎物語」より 著者:下村湖人
、口もとにいくらか微笑をうかべながら、 「えらい固くるしい話をしたが、これが私の置土産だ。しかし、もう一つ、置土産がある。それは、五六日もまえから、こころ用意だ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
父にいる必要がなくなってしまった。そこで江戸へ帰ろうと思う。……江戸へ帰って行く置土産に、林蔵を立派な男にしてやりたい。それで逸見氏と試合をするのだ。……高萩の....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
、なるべく身近に置きたかったからです。お兄様が洋行をなさる時、女学校入学前の私に置土産として下すった『湖月抄』は、近年あまり使わなかったので、桐の本箱一つに工合....
源之助の一生」より 著者:岡本綺堂
うわばみお由」や、「切られお富」のたぐいは、みなこれ宮戸座の舞台における源之助の置土産である。帰京以後の彼は、大歌舞伎の舞台に殆ど何らの足跡を残していない。 ....
回顧と展望」より 著者:高木貞治
ことになって,内閣総辞職があったのですが,時の文部大臣の外山正一さんが辞職の際の置土産として,一年分の留学生十余人を一時に発表されて,私も幸いに其の中に加わって....