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置所
「置所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
置所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
方から飛び出したが、一月のちには、どんな罪を犯したのか、大阪の南署から検事局の拘
置所へ送られていた。チマ子は差し入れに行った。貴子はきびしく叱りつけ、銀造を見る....
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
とに、重要な本件の共犯者がウォズネセンスキイ通りのインチキ理髪師でしてね、現に留
置所へぶちこんでありますよ。本官は大分まえから、どうも彼奴は飲んだくれで、窃盗も....
「アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
の支度を手伝った。遺骸《いがい》を棺に納めてから、私たちは二人きりでそれをその安
置所へ運んで行った。それを置く窖(ずいぶん長いあいだあけずにあったので、その息づ....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
判明した。 「主任殿、御苦労さまでした。非常線にひっかかった怪しい奴は、みんな留
置所へ打ち込んであります。そして、たった一人|全くおかしな奴がいるんです……」 ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
マ許りさ。荷物を担ぎ込んだ所を突き留て飛び込むと、本人がいる所か、ホンの荷物の中
置所にしたに過ぎないのだ。そうやって我々の注意を他へ向けて細君に呼び出しをかけて....
「黒白ストーリー」より 著者:杉山萠円
で何事か命令を下した。 四人の警官は自動車に乗って去った。 徳市はそのまま留
置所に入れられた。 番頭久四郎は一枚の名刺を出して警部に渡した。 これは主....
「映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
切り出し作業や製紙工場の光景でも、ちょっと簡単な地図でも途中に插入して具体的の位
置所在を示しならびに季節をも示してくれたら、興味も効能も幾層倍するであろう。しか....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
尋ねて来た時なんと云った、お隣の次男と不義をしたゆえ、源さんは御勘当になり、身の
置所がないようにしたも私ゆえ、お気の毒でならねえから一緒に連れて来ましたなどと、....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
いうわけであった。すしを持って来た男は、もちろん玉ちゃんを殺すつもりではなく、留
置所につながれているトラ十を毒殺するつもりであったらしい。いったい何者であろうか....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
そべっているのが見えるこの道の角 向うの原っぱに 高くあたらしい塀をめぐらした拘
置所の方へ 戦争をすまい、といったからだという人たちが きょうもつながれてゆくこ....
「祭」より 著者:寺田寅彦
清めも済む。取散らした包紙の黴臭いのは奥の間の縁へほうり出して一ぺん掃除をする。
置所から色々の供物を入れた叺を持ってくる。父上はこれに一々|水引をかけ綺麗にはし....
「六月」より 著者:相馬泰三
彼の頭に浮んで来た。目をつぶると、丸裸の身体にぼろ毛布をまきつけられて、警察の留
置所に入れられて横たわっていた、ついさっきまでの自分のあさましい、みじめな姿がま....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
弁当を盗みました。みつかって、警察へ突き出される覚悟でした。おかしい話ですが、留
置所へはいって食う飯のことが目にちらついてならなかった。人間もこうまであさましく....
「山吹」より 著者:泉鏡花
な儀で。……生命も血も吸いました。――一旦夢がさめますると、その罪の可恐さ。身の
置所もござりませぬで。……消えるまで、失せるまでと、雨露に命を打たせておりますう....
「予謀殺人」より 著者:妹尾アキ夫
だから前科者の顔をみるため町へ行く時には、おれはとても嬉しかったものだ。あの頃拘
置所は、君も覚えているだろうが、ホロウェイにあった。のちにはブリクストンに移った....