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置物
「置物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
置物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
賂です。表向きは金をやるわけにも行かないので、菓子折の底へ小判を入れたり、金銀の
置物をこしらえたり、いろいろの工夫《くふう》をするのが習いでしたから、この蝋燭も....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
来たという次第なのですよ。―― ホウ、君はそこの床の間にポツンと載っている変な
置物に目をつけておいでのようですな。そうです、君の仰有るとおり、それは加減蓄電器....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
薄白くなっている髯をなでながら微笑した。 「なるほどそう言われると、この床の間の
置物にはわたしが縁のふかい方かも知れません。わたしは商売の都合で、若いときには五....
「わが町」より 著者:織田作之助
言いながら、いつもは奥の長火鉢の前で、頭痛膏をこめかみにはりつけた蒼い顔で、
置物のようにぺたりと坐りこんでいる御寮人が、思いがけずいそいそと出て来て、 「―....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ます。又お床の間には一|幅の女神様の掛軸がかかって居り、その前には陶器製の竜神の
置物が据えてありました。その竜神が素晴らしい勢で、かっと大きな口を開けて居たのが....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
れて来たから、ものの濡れたのが皆見える。 遠くの方に堤防の下の石垣の中ほどに、
置物のようになって、畏って、猿が居る。 この猿は、誰が持主というのでもない。細....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
れがために彼は間もなくたくさんの金を得たのである。 彼はまず器具類や風変わりの
置物を、部屋の押入れの中にしまい込んだ。それから彼の寝台その他の必要品を煖炉の両....
「四月馬鹿」より 著者:織田作之助
た部屋は硝子張りで、校正室から監視の眼が届くようになっていた。 武田さんは鉛の
置物のように、どすんと置かれていた。 ドアを押すと、背中で、 「大丈夫だ。逃げ....
「妖婦」より 著者:織田作之助
と、手に入れなければ承知せず、五つの時近所の、お仙という娘に、茶ダンスの上の犬の
置物を無心して断られると、ある日わざとお仙の留守中遊びに行って盗んで帰った。 ....
「書記官」より 著者:川上眉山
の末にも知れと、しばしば心にうなずくなるべし。脇には七宝入りの紫檀卓に、銀蒼鷹の
置物を据えて、これも談話の数に入れとや、極彩色の金屏風は、手を尽したる光琳が花鳥....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
牙、黒い毛。藍青にして、黒い牙、赤い毛。猛き、凄まじき、種々で、ちょいとした棚の
置物、床飾り、小児の玩ぶのは勿論の事。父祖代々この職人の家から、直槙は志を立てて....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
いたからである。 八郎は肩を揺った。 「ああ、串戯じゃない――店ざらしの福助の
置物という処が、硝子箱の菊慈童と早がわりをしているんだ。……これは驚いた。半蔀の....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
。美術家の何とか閣が檜舞台へ糶出さない筈はないことよ。 作は大仕掛な、床の間の
置物で、……唐草高蒔絵の両柄の車、――曳けばきりきりと動くんです。――それに朧銀....
「活人形」より 著者:泉鏡花
開戸あり。床の間は一間の板敷なるが懸軸も無く花瓶も無し。ただ床の中央に他に類無き
置物ありけり。鎌倉時代の上※長けたらんといと床し。 得三は人形の前に衝と進みて....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
際には正妻より妾の方が勢力があるものと定っていますからね」 「私はまるで床の間の
置物で、世間へ体裁をつくるための妻だったのです。私は面白くない月日を送るようにな....