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「署内〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

署内の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白蛇の死」より 著者:海野十三
あった。 やがて夜は明け放れた。世間は綻び初めた花の噂に浮き立っていたが、警察署内の取調べ室では、極度に緊張しきった吉蔵の訊問が続行されていた。然し彼は何処ま....
赤外線男」より 著者:海野十三
それから二十四時間ほど経った。 同じ警察署の夜更けである。今夜は事件もなく、署内はヒッソリ閑としていた。 そのとき署の玄関の重い扉を、外から静かに押すもの....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
青年の訪問を受けたのは三、四日前の夜だった。岸本は石子刑事が未だ所謂官服で神楽坂署内の交番で立番勤務をしていた時分に、交番の近所にいた不良中学生だった。眉の濃い....
一九三二年の春」より 著者:宮本百合子
かにブルジョア形式主義による偽善的効果をもつものであるかを知った。 (留置場へは署内のいろいろな警官が頻繁に来る。廊下においてある小|卓子《テーブル》の上に特別....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
実は六十五歳前後の老人なること判明せり。かく判明せる原因は、該《がい》要保護人を署内(目白署)に収容せる後に至りて、該人物が巧妙なる鬘《かつら》を被《かむ》り居....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
。 何者であろうか、こうして、警察署に気をくばっている曲者たちは? そのとき署内では、大急ぎで駈けつけた田所検事を中央にかこんで、署長や司法主任や係官の刑事....
露西亜の実生活」より 著者:宮本百合子
九三三年の生産拡張五ヵ年計画が着手されてから、個人商人の激減と工場及び凡ての官公署内の組織が社会主義的ラインに依って非常に多くのものを清算し改造したために、各個....
南京虫殺人事件」より 著者:坂口安吾
て以来の大事件で、思えば思うほど心が波立つばかりである。わくわくする胸を押えて、署内をなんとなく歩いたりしながら、懸命に作戦をねりあげている。 そのヒマに娘の....
魔都」より 著者:久生十蘭
は非番だったので、家内揃っていささか祝宴を催していたところ、騒動は追追劇化して、署内が全部出払うようになったため、夕方から急に駆り出されて、五人の同僚とともに署....
アリゾナの女虎」より 著者:牧逸馬
この煽情的な「女詰めトランク」の犯人捜索に狂奔している。 捜査課ががら空きで、署内の動きの只ならないのを見て取って、新聞記者は直ぐニュウスを嗅ぎつけて集まって....
放浪作家の冒険」より 著者:西尾正
苅りの、くらやみでおれとわたりあった「真犯人」なのだ。やつらがおれとおなじ管轄の署内で再会したのも思わぬ偶然だった。やつらにもとうとう年貢のおさめどきがきたのだ....
旅客機事件」より 著者:大庭武年
と思います。ではどう考えたらいいか? 即ち綿井氏はどうして死んだかと言う事です。署内では第一に自殺説、第二に他殺説となっているようですが、実際に於て綿井氏は自殺....
白痴の知恵」より 著者:小酒井不木
した。 「なにッ?」 と署長は驚いて出てゆきましたが、それから五分たたぬうちに署内は大騒ぎになりました。 唯一の物的証拠であった手拭いが紛失したのであるから....
祭の夜」より 著者:平林初之輔
たぐたりとなってしまって返事をする様子もありません。 一方、離れの方では、溝川署内で敏腕の聞こえのある弓田警部が警察医と二人で、娘の身体をしらべています。 「....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
推されもせぬ良民であった。彼らは各地に分散定住していたのみならず、京都の大きな官署内にも寓居して、雑工・駆使・掃除等に従事していたことは、大学寮の古図に余戸の一....