罷出[語句情報] » 罷出

「罷出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

罷出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
雛がたり」より 著者:泉鏡花
しかるべき茎だちの浸しもの、わけぎのぬたも蒔絵の中。惣菜ものの蜆さえ、雛の御前に罷出れば、黒小袖、浅葱の襟。海のもの、山のもの。筍の膚も美少年。どれも、食ものと....
乱世」より 著者:菊池寛
来ニ托シ歎願ノ趣有之旁々万之助並ニ重臣一同浪花ヨリ分散ノ諸兵ヲ引連レ四日市本営ヘ罷出御処置|可承トノコト 追テ参上ノ儀ハ二十三日夜五ツ|時期限ニ候其節宗十郎一手....
天守物語」より 著者:泉鏡花
の先達、允殿館のあるじ朱の盤坊でござる。すなわち猪苗代の城、亀姫君の御供をいたし罷出ました。当お天守富姫様へ御取次を願いたい。 薄 お供御苦労に存じ上げます。あ....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
携えたる杖を、軽く突直す。) いや、また忘れてはならぬ。忘れぬ前に申上げたい儀で罷出た。若様へお取次を頼みましょ。 侍女一 畏りました。唯今。……あの、ちょうど....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
ると謂わるる。 客は女性でござるに因って、一応|拙者から申入れる。ためにこれへ罷出た。 秋谷悪左衛門取次を致す、」 と高らかに云って、穏和に、 「お逢い下....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
一つだけ。おしるしに頂戴してくれるようにと申すんで、や、も、御覧の通、不躾ながら罷出ました。実はね、媽々衆、ああ見えて、浮気もんでね、亭主は旅稼ぎで留守なり、こ....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
この陽気だから落着くが可うござす。一体、何の用なんだい。」 「いや、それに就いて罷出ました……無面目に、お家を窺い、御叱を蒙ったで、恐縮いたすにつけても、前後|....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
した馬士のような親仁が一人。で、一方の端の所に、件の杢若が、縄に蜘蛛の巣を懸けて罷出た。 「これ、何さあ。」 「美しい衣服じゃが買わんかね。」と鼻をひこつかす。....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、大尽客を、獅子に擬え、黒牡丹と題して、金の角の縫いぐるみの牛になって、大広間へ罷出で、馬には狐だから、牛に狸が乗った、滑稽の果は、縫ぐるみを崩すと、幇間同士が....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
近藤重隆と謂う陸軍の尉官なり。式は別に謂わざるべし、媒妁の妻退き、介添の婦人皆|罷出つ。 ただ二人、閨の上に相対し、新婦は屹と身体を固めて、端然として坐したる....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
、旦那様、五百円紛失の一件で、前申しました沢井様へ出入の大八百屋が、あるじ自分で罷出ましてさ、お金子の行方を、一番、是非、だまされたと思って仁右衛門にみておもら....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
れども、たいせつなお客様、またどのような手落になりましても相成らぬ儀と、お伺いに罷出ましてござりまする。」 番頭は一大事のごとく、固くなって、御意を得ると、夫....
三枚続」より 著者:泉鏡花
人も無かったんだそうで。 お夏さんは朋友が嫌だっていうんです、また番頭や小僧が罷出ようという場じゃアありませんや。 しかもその年、一昨年ですな、その晩にゃ私....
活人形」より 著者:泉鏡花
われて醜顔き巌丈男の声ばかり悪優しく。「へいへい、お邪魔様申します。ちとお見舞に罷出たんで。「知己のお方かね。「いえ、ただ通懸った者でがんすがその方が強くお塩梅....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
口上の事 一、私共北山辺に罷在候畠番之者共に御座候。然る処に私共渡世の為、町方へ罷出雪駄直し仕候へ共、皮田役の年寄無御座候。已上 宝永七年寅八月 ....