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罷業
「罷業〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
罷業の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
四五万匹を下らないそうです。そのくせまだこの国では毎朝新聞を読んでいても、一度も
罷業《ひぎょう》という字に出会いません。僕はこれを妙に思いましたから、ある時また....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
》の形を船長によって取られた。 そして、この事が、ここに述べるところの、同盟|
罷業《ひぎょう》を惹起《じゃっき》した。ブルジョアの番頭対、プロレタリア! 船で....
「嵐」より 著者:島崎藤村
米騒動以来の不思議な沈黙がしばらくあたりを支配したあとであった。市内電車従業員の
罷業のうわさも伝わって来るころだ。植木坂の上を通る電車もまれだった。たまに通る電....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
それでようやく復業させることが出来たというような次第である。故に重刑をもって同盟
罷業を防止しようとした折角の政策も、その始において物の見事に蹂躙《じゅうりん》さ....
「刻々」より 著者:宮本百合子
ちの方を見た。 「きっと職場でも引っこぬきが始ってる」 市電では、一月に広尾の
罷業を東交の篠田、山下等に売られてから全線納まらず「非常時」政策に抗して動揺して....
「乳房」より 著者:宮本百合子
来ましたから」 と決議を求めた。柳島車庫は、何処かがストに立ちさえすれば、直ちに
罷業に入るという奇妙な決定をしたのであった。 三 事務所の裏口....
「土鼠と落盤」より 著者:黒島伝治
黙々として居残り仕事をつゞけていた。 大正×年九月、A鉱山では、四千名の坑夫が
罷業を決行した。女房たちは群をなして、遠く、東京のT男爵邸前に押しよせた。K鉱山....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
たハチ公 武部学長・投書・メリケン 農村問題・寄付行為其他 三位一体の改組その他
罷業不安時代 パンフレット事件及び風害対策 高等警察及び冷害対策 試験地獄礼讃 ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
みずからそれに気付いた。そしてある日、例のとおりひどく怒りたったために、全楽員の
罷業《ひぎょう》が起ころうとした時、彼は辞職を申出た。けれども多年の功労の後なの....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
な料理兼牛乳店で食事をした。ゴーティエの昔の同僚で、鉄道の役員をしていたが、同盟
罷業事件のために免職させられた、シモンという男の経営してる店だった。そこには産業....
「端午節」より 著者:井上紅梅
感づいたのである。 彼は金に差支えたが教員の団体には加入しなかった。しかし衆が
罷業すれば講堂には出ない。政府は「授業をすればお金をやる」と声明したが、この言葉....
「石油ランプ」より 著者:寺田寅彦
だという気がして来た。 もし万一の自然の災害か、あるいは人間の故障、例えば同盟
罷業やなにかのために、電流の供給が中絶するような場合が起ったらどうだろうという気....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
広場の事務所へやって来た。 広場では、竪坑に一番近い片盤の坑夫達が、突然下った
罷業の命令に、訳の判らぬ顔つきで、ざわめきながらも引揚げはじめていた。いくつかの....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
に」懇願した。 労働組合に所属しているもののいる工場や沖、陸の仲仕などが「同情
罷業」をしそうな様子がありありと見えてきた。 ――今迄暗に力添えをしていた他の....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
すから……」 賀川市長は三人の前に謹んで頭を下げた。 翌日果して市吏員は全部
罷業した。しかし手合せをしてあった婦人団体は、ただちに全市役所の部署に着いた。 ....