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罹る
「罹る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
罹るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
苦もなく合槌を打って、「僕は心配なんかしていないぞ。ジフレスがなんだ。そう容易く
罹るもんか。昨日僕はちょっと医学書を覗いてみたが、脳へ来るのには五年や十年は掛る....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
て居るから熱病を煩うことは少ない。チベット人は私の出て来た時分に来れば必ず熱病に
罹るに極って居るですから、その時分は誰も往来しない。私はその事をよく知って居った....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
建の講堂をその原位置よりも北方に引き離して、他日万一この凡夫所造の新講堂が災いに
罹る様な場合があっても、為に累を聖人建立の他の堂塔に及ぼさぬ様にとの注意を払った....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
が多少ともこの傾向を帯びているように私には思える。誰も彼もが一種のヒステリー症に
罹るのだといってもいいかと思う。 一種の昂奮状態に陥るのである。いったんこの状....
「愚人の毒」より 著者:小酒井不木
ません」 と、片田博士はにっこり笑って言った。 「ヒステリーの婦人がマラリアに
罹ると、はげしい嘔吐を起こしたり人事不省に陥ったりしますから、いろいろの中毒と間....
「死の接吻」より 著者:小酒井不木
入りこんだのである。いつもならば京橋あたりへ、薪炭を積んで来る船頭の女房が最初に
罹るのであるのに、今度の流行の魁となったのは、浅草六区のK館に居るTという活動弁....
「卑怯な毒殺」より 著者:小酒井不木
けでは君を殺そうとは思わなかった。然るに君は彼女と結婚して間もなく、彼女が肺病に
罹ると、恰も紙屑を捨るように彼女を捨てしまい、彼女を悶死させたのだ。僕は君のその....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
安全に移る機会を得るために何もかもやってしまった。その山の方にいれば、マラリヤに
罹る恐れもないし、金の番をすることも出来たからである。 「君について言えばね、ジ....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
プロス嬢は俄かに頭と体とにひきつりを起して、家の中へひっこんだ。彼女がこの病気に
罹ることは珍しくなかった。そして彼女はその病気のことを打解けた会話の時には「痙攣....
「家」より 著者:島崎藤村
」と西が横槍を入れた。「廃してみ給え――新聞を長く書いてると、必とそういう病気に
罹る」 「ところがそうじゃ無いねえ」と記者は力を入れて、「私もすこしは楽な時が有....
「新生」より 著者:島崎藤村
《しな》の留学生の位置ですね。よく私はそんなことを思いますよ。これでは懐郷病にも
罹る筈《はず》だと思いますよ。今になって考えると、あんなに支那の留学生なぞを冷遇....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
張するものが出て来た。こうなると、町々は焼き払われるだろうと言って、兵火の禍いに
罹ることを恐れる声が一層住民を狼狽させた。長州兵の隊長は本陣|高崎弥五平方に陣取....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
農家にも幸福なる順序を得せしめん事に勤め。特に寛は七十六歳にして、昨年数回の病に
罹るも、今日に至ては健にして、且つ本年は初めて牧塲の越年たるを以て、如何なる事あ....
「田七郎」より 著者:田中貢太郎
っていって母にいうと、母は私が公子を見るに暗い筋があるから、きっと不思議な災難に
罹る。人から聞くに、知遇を受けた者はその人の憂いを分けあい、恩を受けた者は人の難....
「美女を盗む鬼神」より 著者:田中貢太郎
てここへ来た、ここには鬼神があって、美女と見れば必ず盗むので、往来の者でこの難に
罹る事がある、君も能く守るがいい」 と言った。※は、うなされて眼が開いたので、....