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羊毛
「羊毛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
羊毛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
チュウト》人に攻められた時、あの危急存亡の場合に僕を助けてくれたのは、君だった。
羊毛を積んだ車の中に、三日三晩僕を匿って、君がその番をしてくれた――。 合爾合《....
「惜別」より 著者:太宰治
いよ旅順総攻撃を開始し、国内も極度に緊張して、私たち学生も、正貨流出防止のため、
羊毛の服は廃して綿服にしようとか、金縁眼鏡の膺懲とか、或いは敵前生活と称して一種....
「小公女」より 著者:菊池寛
いな。それから、あの――」と薄っぺらな夜具をかけながら、「これが、柔かな寝台で、
羊毛の毛布や、ふうわりした枕がついているのだったら、そして、それから――」 セ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
てる美しい顔の中にも、その黙々たる眼の謎《なぞ》の中にも、彼女の眼を見てとった。
羊毛のような糸杉のまわりや、光線に貫かれてる黒い光った槲《かしわ》の木立の間に、....
「博物誌」より 著者:岸田国士
、それから、糸毯のように丸く寄り合った群れのなかに一緒になってしまう。 一房の
羊毛がまた群れを離れたと思うと、白い泡となって空を翔りながら、やがて煙となり、蒸....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
かしこれを欲望の充足例えば衣服のための欲望充足に用いるに先立って、我々はこれに、
羊毛を布とする操作と、布を衣服とする操作との二つの予備的な産業上の操作を加えなけ....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
とになった。僧房は厚い壁と閂のついた重い扉で仕切られた三坪ばかりの薄暗い部屋で、
羊毛の毛氈を敷いた臥牀と※《カン》の焚口がついているだけの簡素なものである。 ....
「ロボットとベッドの重量」より 著者:直木三十五
、生糸を圧迫し、生糸の生産原価の低廉が、綿糸へ影響し、そのレーヨンが、近来、人造
羊毛のために、四苦八苦しているなんざ、よくしたものさ。」 「アメリカでは、携帯用....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
かぴか光る白鑞の器が長い食器戸棚にいく列も並んでおり、目も眩いほどだった。一隅に
羊毛の大袋があって、紡ぐばかりになっていたし、また別の隅には、機織り機械から下ろ....
「春」より 著者:岡本かの子
切った様子が不憫で、また深々と抱き寄せる加奈子の鼻に、少し青くさいような、そして
羊毛のような、かすかな京子の体臭が匂う。 室内の患者の一人は三十歳ばかりで色白....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
て居りますから到底行って見たところが駄目なんです。それから例のツクツク(裏は赤き
羊毛、表は厚き帆木綿のごとき切布にて製したる四布蒲団のごときものにて目方はおよそ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
しさがある。法句洲に住むとしたらどこに居を構えたらよいのか、ともあれ一年の生計は
羊毛によって成りたっているのだ。) スタンリーの市街は海岸にそいて数町の間、人....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
どうなったんだい?」 「ついに待ちのぞんでいた日がきたんだ。その日の実験には白い
羊毛を使ってみたんだ。実験はうまくいって、白い
羊毛がじっと息をころしてみつめてい....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
えなかった。 (3) 毛の種類 結晶を吊す繊維としては、兎の腹毛、絹、木綿繊維、
羊毛、蜘蛛の巣などを試みた。その中で兎の毛と絹の繊維とが一番良いことがわかった。....
「オスカー・ブロズキー事件」より 著者:妹尾アキ夫
でみたら、いろんな変った色に染めた、いろんな変った繊維だった。大部分は赤く染めた
羊毛で、それに青い木綿、ごくわずかの黄色く染めたジュート麻の繊維が混っていた。だ....