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美し
「美し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
美しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
《つぼみ》もいつか次第に開きはじめる。
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「わたしの
美しさを御覧なさい。」
「だってお前は造花じゃないか?」
....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
元よりそんな事には、気がつく筈がありません。ただ、一生懸命に黒犬を急がせながら、
美しい大和《やまと》の国原《くにはら》を足の下に見下して、ずんずん空を飛んで行き....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
ながら、食えと云う所を見た事がある。また大天使がぶりえるが、白い翼を畳んだまま、
美しい金色《こんじき》の杯《さかずき》に、水をくれる所を見た事もある。
代官《....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
はありそうである。もし会釈をし合うとすれば、……保吉はふとお嬢さんの眉《まゆ》の
美しかったことを思い出した。
爾来《じらい》七八年を経過した今日、その時の海の....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
を歩いて行った。並み木の槐《えんじゅ》は花盛りだった。運河の水明《みずあか》りも
美しかった。しかし――今はそんなことに恋々《れんれん》としている場合ではない。俺....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
い残暑の渚と不調和に感ずるほど花やかに見えた。それは実際人間よりも蝶《ちょう》の
美しさに近いものだった。僕等は風の運んで来る彼等の笑い声を聞きながら、しばらくま....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
戸口へ行って、 「恵蓮。恵蓮」と呼び立てました。 その声に応じて出て来たのは、
美しい支那人の女の子です。が、何か苦労でもあるのか、この女の子の下ぶくれの頬は、....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
を忘れていた。 その内に僕も作句をはじめた。すると或時歳時記の中に「死病得て爪
美しき火桶かな」と云う蛇笏の句を発見した。この句は蛇笏に対する評価を一変する力を....
「犬養君に就いて」より 著者:芥川竜之介
る為に暗示する力を欠き易い事であろう。 それから又犬養君の作品はどれも皆柔かに
美しいものである。こう云う柔かい
美しさは一寸他の作家達には発見出来ない。僕はそこ....
「墓」より 著者:秋田滋
女の肉体、あのみずみずしていた、温ッたかな、あんなに柔かく、あんなに白くあんなに
美しかった肉体が、地下に埋められた棺の底で腐ってゆくことを考えたのであります。肉....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
、清らかなる、不変の愛情他にあるべきや。宛も燃ゆるダイヤモンドのその如く」 と、
美しい筆致で描かれてある。 ファラデーは結婚後、家庭が極めて幸福だったので、仕....
「寡婦」より 著者:秋田滋
るようにして、私の耳もとに口を寄せると、私の名、それも呼名を、優しい、親しげな、
美しい声で「ジュヌヴィエーヴ」と囁くので、私は水でも浴せられたように、背筋がぞう....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
、恐怖に満たされて、彼の鼻声の歌をきいたことがしばしばあった。その歌は、「長々と
美しくつながり」遠くの丘やほの暗い街道から流れてくるのだった。 もうひとつ、こ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
り押えつけていたことだろう。私は疵口から流れ出た血を見た。血というものは、なんて
美しい、赤い、艶のいい、明るいものなのだろう。私はそれが飲んでみたくなった。そし....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
と太郎右衛門は叫びました。今三人の前に生れてから三月ばかり経った一人の赤児が、
美しい布に包まれて捨てられているのでした。伊作の話では、伊作の最初に見付けた時は....