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「美しくも〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

美しくもの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
ようでもある。それにつれて、希望《のぞみ》という虹がうつらうつら夢みられて来る。美しくも力強い希望《のぞみ》。だが果して、その希望を実現し得られる力が自分の中に....
御萩と七種粥」より 著者:河上肇
いたものを役得に持って帰ることを楽みにしていた。いつも丸髷を結っていた此の女は、美しくもなく粋でもなかったが、何彼と吾々の座興を助けた。近頃聞くところによれば、....
不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
して随分しっかりした内容をもっていて、あまり夢を見ることのない私などにとっては、美しくもあれば、ときにはまた薄気味わるく感ずることもあるのだ。(乃公は夢で、同じ....
小公女」より 著者:菊池寛
セエラにはたいていわかっていました。そっとといてみると、中は針さしでした。あまり美しくもない赤フランネルに、黒いピンが『お目出度う』という字の形に並んでささって....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
議な美しさをえがきながら踊るのであるが、その大風呂敷は絶えず次から次へと変化する美しくも妖しき色に染められ、ことにそれが毒々しいばかりの真紅になつたときは、あた....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
飛火した。 5 湖水は猛烈に荒れていた。火事は益々燃え拡がった。物凄くもあれば美しくもあった。 紫錦は小舟に取り付いたまま浪の荒れるに委せていた。火事の光が....
俳優倫理」より 著者:岸田国士
のです。そこで人間というものを必要以上に美しく考えることはない。人間の本来の姿は美しくもあり醜くもある。非常に神々しくもあり、非常に悪魔の如くでもある。また同時....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
が竹籠を編みながら唄う「竹取翁の唄」が次第に聞えて来る。なよたけの弾く和琴の音が美しくも妙にその唄の伴奏をしている。わらべ達の合唱が、時々それに交る。 〔竹取....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
有った。 良心の呵責は一歩毎に強く加わるので有った。年上で、身分|賤しく、格別美しくも無い一婦人の為に、次男ながらも旗本五百石の家に産まれた天下の直参筋、剣道....
楠公夫人」より 著者:上村松園
それは京都嵯峨の奥なる、小楠公の首塚のある宝篋院である。 弁内侍と正行公との、美しくも哀しい物語を憶い出す。 私は嵯峨宝篋院へも、楠公夫人が一子正行に忠孝の....
素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
と区別を分たざる美しさを示してはいるが、もとより「根」あるものはないから、いかに美しくも実を結ぶべくもないと同様である。仁清は日本に純日本ふう彩色の製作陶未だ生....
青い花の香り」より 著者:小川未明
が過ぎて、桜の花が散ったころ一つの鉢から真紅な花が開きました。その花は、あまりに美しくもろかったのであります。そして、その日の黄昏方、吹いてくる風に散ってしまい....
人間否定か社会肯定か」より 著者:小川未明
繋ぐことができない。そう考えんとするのだ。 この美しい自然も自由な大空も決して美しくもなければ、また、自由でもないと思うに至ったのである。 人生は、こんな醜....
お母さんは僕達の太陽」より 著者:小川未明
さんは、全く太陽そのものであって、なんでもお母さんのしたことは、正しくあればまた美しくもあり、善いことでもあったでありましょう。実に、子供の眼には、お母さんは、....
琥珀揚げ」より 著者:北大路魯山人
は、馬鈴薯澱粉なので、すぐ水にもどってしまう性質がある。ほんとうの葛、片栗だと、美しくもあるし、水にすぐもどったりしないから、でき上がったものが美味である。馬鈴....