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美事
「美事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
美事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
と非難されるが斷じてしからず、蒋氏は常に反省的であり、衰えたる國民黨の一角に依然
美事なる統制えの歩みが見られる。毛澤東氏の新民主主義も、恐らくソ連のごとき專制に....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
か「深夜の市長」の失踪に関する記事がありはしないかと思ったからだ。だがその期待は
美事に外れて彼の老人と関係のある記事は一行半句見当らなかった。 「出てないかなア....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
べき何の策をももたなかった。というのは、彼女の心臓の上部が、一発の弾丸によって、
美事射ちぬかれていたから。弾丸は左背部の肋骨にひっかかっているらしく、裸にしてみ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
い意味もわからず、その団体に暴力を以て加盟させられた。一味幹事の統制ぶりは、実に
美事であった。いろいろな別働隊が組織され、各隊は迅速に、行動に移った。 長造の....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
帰ってくると、そこには何時押しよせたか、十人あまりの人だかり……。 「あまりにも
美事な太刀傷じゃ。人間業ではないのう」 「やはり天狗の仕業じゃ。それに刃向ったは....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
の瑞兆が顕われたとして、しかも家の骨に地蔵尊を祭る奇特がある。功徳、恭養、善行、
美事、その只中を狙うのが、悪魔の役です。どっちにしろ可恐しい、早くそこを通抜けよ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
に、これならば、と見立ててくれたほどのことがございまして、それはそれは優さしい、
美事な牡馬でございました。背材はそう高くはございませぬが、総体の地色は白で、それ....
「科学が臍を曲げた話」より 著者:海野十三
。実験者はホッとして、その手を眺めました。ところが、サア大変です。指が足りない!
美事に伸びていた四本の指が根こそぎ切り落とされ、残っているのは拇指一本! 指の無....
「暗号数字」より 著者:海野十三
貴下を煩わした方が、巧みにカムフラージュにもなるし、またお手際も私どもより遥かに
美事であろうと思うのです。どうか一つそのような事情をば御考慮の上、直ちに活動をは....
「三人の師」より 著者:上村松園
り出して書き足す。またべたべたになる。放り出す……このようにして、五日ほどすると
美事な雄渾な絵がそれぞれの構図で完成するという制作の方法であった。 あのような....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
来ることがありました。これが自然手習いになったようです。ある大名の売立に行くと、
美事な貫之のかながきの巻物がありましたので、一、二行うつすつもりで書き始め、とう....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
かなか多い。 玄武湖に行くと、ここには柳が沢山ある。画舫があり、夏は蓮が咲いて
美事であるという。その堤に柳が枝を垂れていて、そのあたりに牛が放ち飼いにされてい....
「中支遊記」より 著者:上村松園
舫は五亭橋へ向っていた。朱の柱の上に五色の瓦を葺いた屋根、それに陽が映えた色彩の
美事さもあることであったが、五亭橋の上にあがっての遠望は、まさに好個の山水図であ....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
神はむつかしい顔をして、七つの神はきちんと彫りこまれてあるのであった。 「こりゃ
美事どすな」 「いろはよりも大したもんどす」 私と私の母は声をそろえて感歎した....
「土田さんの芸術」より 著者:上村松園
があった。私も見物に行ったが、流石に仙禅斎の代表作などたんと集っていて、なかなか
美事な催しだった。いい図柄や色気のものがたんとあって、つい懐ろの写生帖を取り出し....