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「美人草〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

美人草の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼 第二」より 著者:芥川竜之介
僕にこう言うのだった。――「世界一ならば何《なん》でも好《い》い。」!) 「『虞美人草《ぐびじんそう》』は?」 「あれは僕の日本語じゃ駄目《だめ》だ。……きょう....
樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
で、休暇中読む本を買いつけの本屋から、何冊だか取りよせたことがある。夏目先生の虞美人草《ぐびじんそう》なども、その時その中に交っていたかと思う。が、中でもいちば....
蒲団」より 著者:田山花袋
翠をその一室に漲らした。隣家の葡萄棚、打捨てて手を入れようともせぬ庭の雑草の中に美人草の美しく交って咲いているのも今更に目につく。時雄はさる画家の描いた朝顔の幅....
旅日記から」より 著者:寺田寅彦
いわけにはゆかなかった。 劇場の中のまるい広場には、緑の草の毛氈の中に真紅の虞美人草が咲き乱れて、かよわい花弁がわずかな風にふるえていた。よく見ると鳥頭の紫の....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
の娘の顔も好きらしかった。 ヴォラプチュアスだと評しておられた。 先生の「虞美人草」の中に出て来るヴォラプチュアスな顔のモデルがすなわちこれであるかと思われ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
て来て見せる。 草あやめの外には、芍薬、紫と白と黄の渓※、薔薇、石竹、矍麦、虞美人草、花芥子、紅白除虫菊、皆存分に咲いて、庭も園も色々に明るくなった。 畑で....
路傍の草」より 著者:寺田寅彦
入者が手をつけないで見のがす幾種類かの草花がある事を発見した。それはコスモスと虞美人草とそうして小桜草である。立ち葵や朝顔などが小さな二葉のうちに捜し出されて抜....
夏目漱石先生の追憶」より 著者:寺田寅彦
や打算に対してかなりに敏感であったことは先生の作品を見てもわかるのである。 「虞美人草」を書いていたころに、自分の研究をしている実験室を見せろと言われるので、一....
藤棚の陰から」より 著者:寺田寅彦
値がありそうである。花には少し気の毒なような気はするが。 三 虞美人草のつぼみははじめうつ向いている。いよいよ咲く前になって頭をもたげてまっすぐ....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
き感激は身に沁み渡って、彼女の長き睫よりこぼるる涙はわれらの膝を潤すであろう。虞美人草の甲野さんが糸子に対する上品な、優しい気持ちこそわれらの慕うところである。....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
て、いらいらして、手の皮膚はかさかさになり、雀斑《そばかす》ができていて、裸麦や美人草の穂を頭につけ、快活で、荒っぽくて、跣足《はだし》になっている。畑の中でさ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ともに生まれる。うち震うもろい理想を心にいだく若い娘は、蝶の翼にも情けをかける。美人草の花輪をつくって頭にのせると、日の光が縦横にさし込んで、燃えるように真紅に....
再度生老人」より 著者:佐左木俊郎
賞したり、彫りものを眺めたり、まるで退屈で困る顔をしているので、或る女――寺に虞美人草の種子を蒔くと檀家に死人が絶えないという伝説を信じている女――などは、「あ....
駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
何となく安からぬ思いに悩んだ、長い春の日も暮れて火ともしごろ、なまめかしい廂髪に美人草の釵をさした千代子の姿がプラットホームに現われた。私は千代子の背後について....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
か。人物のいい先生か、芸のいい先生かどっちでも我慢する。両者揃えば奮発する。「虞美人草」はいやになった。早く女を殺してしまいたい。熱くってうるさくって馬鹿気てい....