美味[語句情報] » 美味

「美味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

美味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
定まりにやる。子供二人ある奥さんとはどうしても見えない。 「矢代君やり給え。余り美味《うま》くはないけれど、長岡特製の粽だと云って貰ったのだ」 「拵《こしら》え....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
が、こりゃ駄目だと思った。そのままで賞味してしまう手段はあったが、それでは充分|美味しく戴けない。そう悟ったので、僕は一夜脳髄をしぼって、最も科学的な方法を案出....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
火のついた巻煙草がだんだんと短くなってお仕舞いになると脂くさくなる。これは決して美味いところではない。それを大事に最後まで吸いつくすところに、僕は疑問を挟んだの....
三人の双生児」より 著者:海野十三
存在でもないのだった。妾は一時に身が軽くなったような気がした。それで起きて何かお美味いものでも喰べようと思って、蒲団から身体を起しかけた。ところがそれを見た貞雄....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ばかりあった酒を出す。そしてニュージランドのオクス・タンの缶詰をあける。たいへん美味しいとよろこんでくれる。この缶詰は半年もあけずに辛抱していたものである。 ◯....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
ーブルを占領して、同じ献立の食べ物を見くらべてたのしそうに笑った。 「ミチミ、お美味いかい」 「ええ、とってもお美味いの。このお料理には、どこか故郷の臭がするの....
古狢」より 著者:泉鏡花
の事を言おう。瀬波に翻える状に、背尾を刎ねた、皿に余る尺ばかりな塩焼は、まったく美味である。そこで、讃歎すると、上流、五里七里の山奥から活のまま徒歩で運んで来る....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
のな、焼蛤は、今も町はずれの葦簀張なんぞでいたします。やっぱり松毬で焼きませぬと美味うござりませんで、当家では蒸したのを差上げます、味淋入れて味美う蒸します。」....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
れは何よりのおもてなし……雛子、そなたも御馳走になるがよいであろう。世界中で何が美味いと申しても、結局水に越したものはござらぬ……。』 指導役のお爺さんはそん....
幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
料理にするのだろう? 西洋人はいっている。支那料理は最も進歩したものである。最も美味で、かつ衛生的であると。彼等が支那料理を採るのはそのためだ。さて、一番初めに....
初雪」より 著者:秋田滋
気晴しッて、それアまた何のことだい? 芝居かい、夜会かい。それとも、巴里へ行って美味いものを食べようッてのかい。だがねえ、お前はここへ来る時に、そういうような贅....
狂人日記」より 著者:秋田滋
を溝に投げ込んでそれを草で蔽うた。 それから、私は家に帰り、食事をした。食事は美味かった。なんて他愛のないことだろう。その晩、私は気が晴々して、気分も好く、若....
謡曲仕舞など」より 著者:上村松園
いに違いありません、この点は十分恵まれた土地です。もっとも僻村なのですから格別に美味しいものとか、贅沢なものとては一つもありませんが、普通一と通りの魚類は売りに....
棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
の値と比較すると問題にならぬほど安かったのである。 そして味も比較にならぬほど美味かった。 あの頃の葉茶屋の空気はまことに和かなもので、お寺の坊さん、儒者、....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
い、腹に真紫の粒々の子が満ちて、甲を剥がすと、朱色の瑪瑙のごとき子がある。それが美味なのだという。(子をば食う蟹)か、と考えた。……女が売るだけにこれは不躾だっ....