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美声
「美声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
美声の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
の音がはいると、これにて本日は打ち止めの口上があってから、声自慢らしい呼び出しの
美声につられて、ゆうぜんと東のたまりから、土俵に姿を現わしたものは、これぞお局群....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
り対手になってつかわすわッ。抜けッ、抜けッ、抜いて参れッ」 裂帛《れっぱく》の
美声を放って、さッと玉散る刄《やいば》を抜いて放つと、双頬《そうきょう》にほのぼ....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
だったが、咄嗟の場合、作り声ではなく、彼女の生地の声――珠のように澄んだ若々しい
美声だった。――ああ、とうとう探偵の覆面は取り去られたのだった。いま都下に絶対の....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
〃 ダヴィデ――聖書に見えるイスラエルの王で『詩篇』の作者。イスラム教徒は彼を
美声の歌手の典型と考えている。 136 イラク――メソポタミアとイランの一部を含....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
たであろうか。音楽マニアにも似たメントール侯のこと、その侯が、音叉を持ちあるいて
美声の人を探し求めていること、侯が島の娘たちにたいへん人気があること。それから、....
「町内の二天才」より 著者:坂口安吾
。吠え面かかしてやるから」 金サンは満場のバカどもに一泡ふかせてやろうと、口に
美声錠をふくんで時の至るを待ちかまえた。ところが、である。試合がはじまってみると....
「三甚内」より 著者:国枝史郎
と前へ並べられたところは決して悪い気持ちではない。 山本|勾当の三絃に合わせて
美声自慢のお品女郎が流行の小唄を一|連唄った。新年にちなんだめでたい唄だ。 「お....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
題であります。いかによく通る声でも、例えば、下品な、狂気じみた声では困るし、同じ
美声の名に値しても、浪花節語りのような不自然な特殊な感情に訴える声では、それはあ....
「俳優と現代人の生活(対話Ⅴ)」より 著者:岸田国士
り、人間の性格と関係のある「声」の出し方はなかなか身につかない。これはいわゆる「
美声」とは違うので、生理的な条件とそう関係はない。だから、実際は子供の時から、家....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
、その他は、みんなと言っていいほど、声がわるい。 僕は、俳優にいわゆる普通の「
美声」を求めてはいません。条件は、よく通ることと、聴いていてどこか惹きつけられる....
「ラジオ・ドラマ私見」より 著者:岸田国士
伴つていなければ、それはまともなセリフとはいえないのである。俳優の声は、音楽的な
美声を必ずしも必要としない。しかし、俳優として、さまざまな人物の性格を表現する声....
「香熊」より 著者:佐藤垢石
れど、珠実嬢は踊りばかりが専門であると思っていたところ、唄もえらく大したものだ。
美声が、ころころと喉から転びだす。一同、ぱちぱちと拍手喝采。おかげさまで、ますま....
「純情狸」より 著者:佐藤垢石
い。なにしろ、紺屋町といえば厩橋城下における花街の中心地だ。絃鼓鉦竹に混じえて、
美声流れ来たり流れ去るのである。 花街に取りまかれ、嬌妓のなまめかしい唄を耳に....
「淡紫裳」より 著者:佐藤垢石
うのはこういう女達を指すのではないかと思う。 中でも崔明洙、韓晶玉というのが、
美声の持主であった。内地の芸妓の唄う歌をなんでも唄った。この色と艶と弾力、それを....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
いい寄った、あまたの公家衆のその中に、分けて思いも深草の少将。 まあ何んという
美声でしょう。薄暗い高座も、貧しい燭台の光も目に入りません。私はただ夢中で聴きと....