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美妙
「美妙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
美妙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
素朴《かんこそぼく》な祈祷だった。
彼の死骸を磔柱から下した時、非人は皆それが
美妙な香《かおり》を放っているのに驚いた。見ると、吉助の口の中からは、一本の白い....
「或る女」より 著者:有島武郎
い衝動をしいてじっとこらえながら、きれいに整えられた寝台にようやく腰をおろした。
美妙な曲線を長く描いてのどかに開いた眉根《まゆね》は痛ましく眉間《みけん》に集ま....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
は君で、私は私で、妙に寝つかれない一夜だった。踏まれても踏まれても、自然が与えた
美妙な優しい心を失わない、失い得ない君の事を思った。仁王のようなたくましい君の肉....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
にはあまりに強い魅力があった。彼はしばしば彼を宗教的冷静に導いたところの、彼女の
美妙な慈悲ぶかい力を思い出した。純粋な清い泉がその底から透明の姿を、彼の心眼に明....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
さかんに売れたものである。 版にしないものはいろいろあったが、出たものには山田
美妙斎が編輯していた『都の花』があった。その他|硯友社一派の『文庫』が出ていた。....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
中から、まるでざわめく風の中からでも生れたかのように、わらべ達の合唱する童謡が、
美妙な韻律をひびかせながら、だんだんと聞えて来る。……… 〔わらべ達の唄〕 な....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
も機会を得なかった。 その頃私が往来していた文壇の人はいくばくもなかった。紅葉
美妙以下硯友社諸氏の文品才藻には深く推服していたが、元来私の志していたのは経済で....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
とはなしに冷却してしまった。局外者で戯曲を発表する人もあらわれなくなった。山田|
美妙氏の『村上義光錦旗風』が単行本として出版されたが、これも余り問題にならなかっ....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
二李の特別附録は当時の大家の顔見世狂言として盛んに評判されたもんだ。その第一回は
美妙の裸蝴蝶で大分前受けがしたが、第二回の『於母影』は珠玉を満盛した和歌漢詩新体....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
谷の忍原横町の親戚の家に寄食した。その時分もヤンチャン小僧で、竹馬の友たる山田|
美妙の追懐談に由ると、お神楽の馬鹿踊が頗る得意であって、児供同士が集まると直ぐト....
「露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
ある時、その頃金港堂の『都の花』の主筆をしていた山田
美妙に会うと、開口一番「エライ人が出ましたよ!」と破顔した。 ドウいう人かと訊....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
は実に奇観なり。ときに、水中に一道の光芒を浮かべて、眼眸に映じ来たるところ、その
美妙ほとんど言語に絶す。かくして十時半、太陽地平線下に入る。その没する所は正北と....
「茶美生活」より 著者:北大路魯山人
くも茶の道を探って見んとした各人の初一念というものがあり、その動機は清澄にして、
美妙なものであったはずだからである。それが中途半端な指導に災わいされて、道ならざ....
「ふるさとの林の歌」より 著者:小川未明
より美しいものがこの世界にあろうか、なにがいい音色だといって、おまえの鳴く声より
美妙なものがこの世界にあるはずがない。」と、娘はため息をもらしました。 「私はい....
「明るき世界へ」より 著者:小川未明
でも暗くならずに、明るい海に憧れるものが幾人となくありました。海は、永久にたえず
美妙な唄をうたっています。その唄の声にじっと耳をすましていると、いつしか、青黒い....