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美姫
「美姫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
美姫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
弓とか申すあの小女は、殿さまのお腰元でござりまするか」 「さようじゃ。城中第一の
美姫《びき》、まだつぼみのままじゃが、所望ならば江戸へのみやげにつかわしてもよい....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
老諸公たちです。それから、加賀百万石を禄高《ろくだか》がしらの三百諸侯、つづいて
美姫《びき》千名と注された、いずれ劣らぬ美形たちのお局、腰元、お女中の一群であり....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ノ毒ナガラ金運ナシ。 サレド富貴栄達ノ相アレバ、一国一城ノ|主《アルジ》タラム。
美姫《ビキ》アリ。 西ヨリ来ッテ妻トナル。 夫情《フジョウ》濃《コマ》ヤカニ致サ....
「夫人探索」より 著者:夢野久作
長者になった。 芳夫は早速数万円を投じて素破《すば》らしい邸宅を建てた。そこに
美姫と、美酒と、山海の珍味を並べて、友達を集めて昼夜兼行の豪遊をこころみたために....
「橋」より 著者:池谷信三郎
の女優連が、寝間着姿のしどけないなりで、青い瞳に憂鬱な恐怖を浮べ、まるでソドムの
美姫のように、赤い電灯の点いた非常口へ殺到した。ソプラノの悲鳴が、不思議な斉唱を....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
士。今めかしくいうまでもない、富山の市で花を売る評判の娘に首っ丈であったのが、勇
美姫おん目を懸けさせたまうので、毎日のように館に来る、近々と顔を見る、口も利くと....
「わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
な可憐さを忘れる筈はなかつたが、今眼前に再会した十三のヒエロニモは処女よりも清く
美姫よりもなまめかしく、そして全ての効果を意識した利巧さが娼婦の本能であることを....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
。ジッと睨め」 そこで私は睨まなければならんのである。 私の眼前には三百人の
美姫が楚々として踊っている。私に東京パレスを精密に叙述して一見をすすめた友人(頭....
「俊寛」より 著者:倉田百三
す。あらゆる暴虐に飽いた身を宮殿をしのぐような六波羅の邸宅の黄金の床に横たえて、
美姫を集めて宴楽にふけっております。天下は清盛の前に恐れ伏し、平氏にこびへつらい....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
刎馬――そこへ行きますと木曽美人、これは昔から有名で、巴御前、山吹御前、ああいう
美姫も出て居ります。納めの馬市に参りました際には、嘉門様胆入りでそういう美人の、....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
愛されないのか。大国主は戦い敗れて亡びた首長であった。猿田彦は裏ッ先に節を屈し、
美姫を得て終身栄えたであろう。しかも民衆の批判は、彼をして貝に指をはさまれ、海中....
「大橋須磨子」より 著者:長谷川時雨
《どこ》の連中だか知らなかった。知ったにしたところがその美しい人は、もう紅葉館の
美姫としてではなかった頃であろう。その後ほどなくわたしは竹柏園《ちくはくえん》先....
「柳原燁子(白蓮)」より 著者:長谷川時雨
ものもないというほどであり、和歌集『踏絵《ふみえ》』を出してから、その物語りめく
美姫《びき》の情炎に、世人は魅せられていたからだ。 この結婚は、無理だというの....
「雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
印象と同じだ。魚体の両側に正しく並んだ十三個ずつの小判型した濃紺の斑点は、渓流の
美姫への贈物として、水の精から頂戴した心尽くしの麗装に違いない。しかも藍色の背肌....
「帝国劇場のオペラ」より 著者:永井荷風
哀愁の詩人ミュッセが小曲の中に、青春の希望元気と共に銷磨し尽した時この憂悶を慰撫するもの音楽と
美姫との外はない。曾てわかき日に一たび聴いたことのある幽婉なる歌曲に重ねて耳を傾....