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美少年
「美少年〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
美少年の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
ちに挨拶《あいさつ》ぐらいはし合うようになったある十五六の中学生だった。彼は格別
美少年ではなかった。しかしどこか若木《わかぎ》に似た水々しさを具えた少年だった。....
「彼」より 著者:芥川竜之介
を感じていた。
「あいつはどう考えても、永遠に子供でいるやつだね。しかしああ云う
美少年の癖に少しもホモ・エロティッシュな気を起させないだろう。あれは一体どう云う....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
い訣《わけ》ではなかった。彼は試験の度ごとに三番か四番の成績を占めた。又或下級の
美少年は求めずとも彼に愛を示した。しかしそれ等も信輔には曇天を洩《も》れる日の光....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
行った。その時ふと鏡《かがみ》を見ると、驚いたことにタウンゼンド氏はいつのまにか
美少年に変り、保吉自身は腰の曲った白頭《はくとう》の老人に変っていた。
....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
お流頂戴。切々内へ呼び出しちゃ、花骨牌でも撒きそうに思ってるんだ。何の事はない、
美少年録のソレ何だっけ、安保箭五郎直行さ。甚しきは美人局でも遣りかねないほど軽蔑....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
簑を編む頃か。 その猿簑に、 凧きれて白嶺ヶ|嶽を行方かな 桃妖 温泉の
美少年の句は――北枝の集だと、 糸切れて凧は白嶺を行方かな になっている。その....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
んは居るかい。」と言いさま摺れ違い、門を入ろうとして振向いて言ったのは、十八九の
美少年である。絹セルの単衣、水色|縮緬の帯を背後に結んだ、中背の、見るから蒲柳の....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
って、色の白い耳のあたりを拭ったが、年紀のころ二十三四、眉の鮮かな目附に品のある
美少年。殊にものいいの判然として訛のないのは明にその品性を語り得た。お杉は一目見....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
くを、などさは女々しき振舞する。ともに遊べ、なかまにならば、仙冠者牛若三郎という
美少年の豪傑になさむと言いき。仙冠者は稲葉なにがしの弟にて、魔術をよくし、空中を....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
と振って、肩で踊って、 「わあい。」 と馬鹿調子のどら声を放す。 ひょろ長い
美少年が、 「おうい。」 と途轍もない奇声を揚げた。 同時に、うしろ向きの赤....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
く熟と視た。 そこへ、手水鉢へ来て、手を洗ったのが、若い手代――君が云う、その
美少年の猿廻。」 十二 「急いで手拭を懐中へ突込むと、若手代はそこ....
「雛がたり」より 著者:泉鏡花
ものの蜆さえ、雛の御前に罷出れば、黒小袖、浅葱の襟。海のもの、山のもの。筍の膚も
美少年。どれも、食ものという形でなく、菜の葉に留まれ蝶と斉しく、弥生の春のともだ....
「幼き頃の想い出」より 著者:上村松園
小説類が殊に多うございました。たとえば水滸伝だとか、八犬伝だとか、弓張月だとか、
美少年録だとか、馬琴のものならほとんど総べて揃って居たように記憶します。そうして....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
れたは少くも口髯ぐらい生やしてる相当年配の紳士と思いの外なる極めて無邪気な紅顔の
美少年で、「私が森です」と挨拶された時は読売記者は呆気に取られて、暫らくは開いた....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
手ふき紙になってしまったが)この種の写本が本箱に四つ五つあった。その中に馬琴の『
美少年録』や『玉石童子訓』や『朝夷巡島記』や『侠客伝』があった。ドウしてコンナ、....