美挙[語句情報] »
美挙
「美挙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
美挙の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
汰ではない。大きく云えば公平を好み中庸を愛する天意を現実にする天晴《あっぱれ》な
美挙だ。人の許諾を経《へ》ずして吾妻橋《あずまばし》事件などを至る処に振り廻わす....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
氏の動作が、このほか松葉杖つく画家K氏を、まめまめしく面倒見る氏の様子を、何事の
美挙ぞと、私は眺めたことも度々あった。主人も好もしそうに微笑して氏にもてなされて....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
きたい。このたび仲間の窮迫を見かねて金十両ずつ出し合って救ったとは近頃めずらしい
美挙、いつまでもその心掛けを忘れぬよう。それにもかかわらず、あのような重い太鼓を....
「男女交際より家庭生活へ」より 著者:宮本百合子
に低下した挙動に出ずることもありましょう。然し、知らないものには分らず為し得ない
美挙を同一の観念から、運用の方法、理解如何によって産出することも、又可能であると....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
ととは、夢にも思っていない。ニーナたちをうたがうどころではない、ニーナのかくれた
美挙にすっかり感激し、ニーナをすっかり信じかつうやまっているのであるからまことに....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
代廃止旅館などという看板を出しておく宿屋はほとんどなくなった。しからば何故にこの
美挙が失敗に終ったかというに旅客が浪費を好むからだというわけではない。他にもいろ....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
の通俗講義の必要は何処でも感ぜられていたが、今率先してこれに着手したのは同大学の
美挙といわねばならぬ。 (明治四十一年三月三十一日『東京朝日新聞』) ....
「学校教育における図書館の利用」より 著者:佐野友三郎
所以となると同時に、少なからざる公益をなすに好機会なりというべし。」 「この種の
美挙は国内所々において、特にオハイオ、カリフォルニヤ二州において先鞭をつけたる者....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
樽新聞の農村欄ば見れ。ヤレ農村美談だ、ヤレ何々村の節婦だ、孝子だ、ヤレ何青年団の
美挙だ、ヤレ何の記念事業だッて、ムキになって農村の太鼓ばたたいているんでねえか。....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、観世音は慈悲で智慧を育て上げる摂受門係りであります。 他を愛することばかりが
美挙の全部だと思っている人があります。他を愛する気持ちにばかり酔っている人があり....
「三国志」より 著者:吉川英治
だから、この一項は原書にはあっても除こうかと考えたが、原書は劉安の行為を、非常な
美挙として扱っているのである。そこに中古支那の道義観や民情もうかがわれるし、そう....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
「続日本紀」に、 。 とある。これは明治四年に穢多非人の称を廃したのと同じような
美挙ではあったが、後者が「身分職業共に平民と同じくす」とあるのとは違って、身分は....