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美的
「美的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
美的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
題に、一種の義憤を発するほど、道徳家でないには相違なかった。けれども彼には近藤の
美的|偽善《ぎぜん》とも称すべきものが――自家の卑猥《ひわい》な興味の上へ芸術的....
「早春」より 著者:芥川竜之介
は堀川《ほりかわ》という小説家志望の大学生である。彼等は一杯の紅茶を前に自動車の
美的価値を論じたり、セザンヌの経済的価値を論じたりした。が、それ等にも疲れた後《....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
》けた場合に限る訣《わけ》ではない。我我は時には怯懦《きょうだ》の為に、時には又
美的要求の為にこの残酷な慰安の相手に一人の女人を使い兼ねぬのである。
結....
「或る女」より 著者:有島武郎
高山樗牛《たかやまちょぎゅう》らの一団はニイチェの思想を標榜《ひょうぼう》して「
美的生活」とか「清盛論《きよもりろん》」というような大胆奔放な言説をもって思想の....
「特許多腕人間方式」より 著者:海野十三
反対でございますわ。お嬢さんがたに植えた場合を、ちょっとご想像なさいませ、あまり
美的ではございませんわ」 「もちろん、
美的ではありませんが、一つは見慣れないせい....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
めがそこで成立つ。現代における思潮の淵源、天堂と食堂を兼備えて、薔薇薫じ星の輝く
美的の会合、とあって、おしめと襷を念頭に置かない催しであるから、留守では、芋が焦....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
ているのであるが、まずこれらの不用な部分を切り捨てて、有用な部分だけを拾いあげ、
美的秩序に従ってこれを整理することが芸術的表現の根幹であり、無意味な偶然というも....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
目次 第一章 人情の碗 茶は日常生活の俗事の中に美を崇拝する一種の審
美的宗教すなわち茶道の域に達す――茶道は社会の上下を通じて広まる――新旧両世界の....
「女性の不平とよろこび」より 著者:岡本かの子
ただ、女は何と云っても、男より、外観美を保たなくてはいけない、これは理屈より審
美的立場から云うのです。で、如何に、挙措を解放するにしても、常に或程度の収攬を、....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
ランス女を子を生む実用にしないと言うのか、或は子を生むような実用的なフランス女は
美的でないと言う若者の普通な美意識から出た言葉か知らなかったが、それも今では懐か....
「眉の記」より 著者:上村松園
ん青眉にし、その上へすすきの葉のようにほそい放物線を描いたりしているのは、あまり
美的なものとは言えないのである。 その放物線の果てがどこで終るのかと心配になる....
「カメラに関する覚え書」より 著者:伊丹万作
ただし、右は主として内容に即したカメラ・ポジションについてであつて、必ずしも
美的要求からくる画面の切り方にまでは言及していない。 内容の目的に沿うにはすで....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
愛なる同胞諸君であつたことを私は忘れない。もともと、服装は、実用的要求に幾分かの
美的要求が結合したものであつて、思想的表現ではないのである。しかるに我が同胞諸君....
「車中有感」より 著者:上村松園
雀の巣のように、あたら髪を縮らすことが流行して、わたくしなどの目には、いささかの
美的情感も催さないのであるが、この姉妹の髪の、洋髪でありながら、なんという日本美....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
…ただし画室らしく片づけろよ。芸術家の尊厳を失うほどきちんと片づけちゃだめだよ。
美的にそこいらを散らかすのを忘れちゃいかんぜ。そこで俺はと……俺はドモ又をドモ又....